「銀座での買い物や仕事の合間に、ふらりと立ち寄ってひと息つきたい……」。そんなときに、足を運んでみてほしいのが松屋銀座地下1階食品売場にある、イートインコーナーです。「デパ地下大好き」という、“くいしんぼうヒップホッパー”のDJみそしるとMCごはんさんといっしょに、3つのおすすめイートインコーナーを巡りました。

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DJみそしるとMCごはんさん

女子栄養大学の卒業研究として制作した作品が話題となり、2013年にメジャーデビュー。「おいしいものは人類の奇跡だ!」をモットーに、トラック、リリック、アートワークなどを自ら制作し、料理と音楽の新たな楽しみ方を提案する、“くいしんぼうヒップホッパー”。2014年から9年間、NHK Eテレ「ごちそんぐ DJ」に出演。絵本の制作を手掛けるなど、マルチに活躍中。著書の絵本に『みよこ』『となりのおやつ』(神宮館)、紙芝居 『おいしいへんしん バナバナナ』(はらぺこめがねと共著、童心社)など。プライベートでは3歳、0歳の母でもある。

松屋銀座デパ地下のイートインコーナー、盲点でした!

楽器や画材・文具の専門店をお目当てに、たいてい一人で銀座を訪れる、というDJみそしるとMCごはんさん。子育てするようになってから、ゆっくり街歩きとはいかず、目的を終えたら急ぎ足で帰宅することもしばしばだそう。

「夫が子どもを見てくれていますし、店はどこも混んでいるので、ひと休みしてから帰るなんてなかなか……。デパ地下をさっとのぞいて、夕食用の惣菜やお土産のおやつ、パンなどを探すぐらいですね」

松屋銀座の地下1階食品売場には、テイクアウトはもちろん、食事からおやつ、喫茶まで、その場で味わえる本格派のイートインコーナーが充実しています。「『デパ地下=テイクアウト』だと思っていたけれど、イートインできるコーナーがあるなんて」と興味津々です。

サクッとランチでも〈銀座天一〉で老舗の江戸前の味を満喫!

〈銀座天一〉といえば、銀座並木通りに本店を構える、創業95年の天ぷらの老舗。松屋銀座店は2025年にリニューアルし、惣菜やお弁当の売場に、店内厨房で調理した天丼をその場で食べられるイートインコーナーが併設されました。

〈銀座天一〉の天丼は初めてという、DJみそしるとMCごはんさん。定番や季節の天丼もあるなか、オーダーしたのは松屋銀座でしか食べられない「松屋オリジナル天丼」。才巻海老(車海老の幼少期)を使い、そのほかは本店の天丼でも人気の天ぷらがご飯の上に並びます。

丼にぎっちりと並ぶ天ぷらの中から、まずは才巻海老を。「香ばしい衣につゆがジュワッと程よくなじんで、感動ものです。海老らしい甘みが感じられて、尾や脚のサクッとした食感もたまりません」。椎茸の海老詰めの中身である小海老のすり身にはつなぎを一切使っていないそう。「だからプリプリの食感で、海老の風味が濃厚なんですね」

ごま油の香りと極上の天ぷらを味わいながら、自然と笑みがこぼれます。「ごま油が香る、上品なTHE ・江戸前天丼の揚げたてをふらりと来て食べられるなんて、なんて贅沢なんでしょう! “カウンター天丼”、これはハマりそうです」

〈銀座天一〉

営業時間:午前11時〜午後8時(ラストオーダーは午後7時)
     日曜日または連休最終日は午後7時30分まで(ラストオーダーは午後6時30分)
席数:カウンター 8席 
電話番号:03(3561)0508〈直通〉

静寂の時間が流れる〈茶の葉〉では、お茶とお菓子で心穏やかに

少しでも喧騒を離れて、心を落ち着かせたい……。それなら、至極の日本茶と季節のお菓子が味わえる、地下1階フロアの奥〈茶の葉〉へ。ほの暗く、館内放送も聴こえないという静けさに包まれた店内でお客様を迎えています。「みんなの!松屋銀座大賞」の「秘密のおすすめ部門」でも、クルーのとっておきとして取り上げられました。43年の間、変わらずに松屋銀座にお店を構えていることから、親子や3世代でのリピーターも多い、知る人ぞ知る名店です。

お菓子と2煎め用のお湯が付いた「煎茶セット」は、「ストロング」「マイルド」「ソフト」の3タイプからお茶を選べます。迷ったら、店員さんがお客様との会話から最適なお茶を選んでくれるのも嬉しいところ。扱う茶葉はすべて、40年来の信頼できる生産者のものだけ。この日は「ストロング」タイプの、昔ながらの渋みが特徴の、静岡・天竜川上流で育つ「阿寺茶」を淹れてもらいました。

カウンター越しにお茶を淹れる一連の所作を見られるのも、この店の魅力。急須や茶器を温め、75〜80℃の湯を茶葉に注ぎ、砂時計で計って1分ほど。急須を蚊取り線香の渦を描くように回したら、茶器に一滴残らず出しきります。急須の回し方もお茶の風味の違いに合わせて調整するそう。

季節のお菓子はほぼオリジナルで、40年来変わらぬ菓子屋に製作を依頼しているそう。お茶の種類に合わせて、最適なものを提供。こだわりの茶葉やティーバッグとともに、店頭でも購入ができます。

「買い物や仕事の合間に、自分を見つめる時間を」というのが店のコンセプトの一つでもあるそう。「入ると、別世界。店内に流れる水の音でガヤガヤした外の音がマスキングされて、よりお茶に集中できます。丁寧に淹れられたお茶は、飲んだことのない上質な味わいでした。お茶のことや淹れ方を知る機会もでき、空間の演出も素晴らしい!通いたくなりました」

〈茶の葉〉

営業時間:午前11時〜午後8時(ラストオーダーは午後7時)
     日曜日または連休最終日は午後7時30分まで(ラストオーダーは午後6時30分)
席数:カウンター7席
電話番号:03(3567)2635〈直通〉

お買い物の合間に〈ヤマサン〉でパワーチャージ!

最後に立ち寄ったのは、福島県南相馬市のフルーツ専門店〈ヤマサン〉が手掛ける、厳選フルーツを使用したジューススタンド。常時約30種類のジュースやスムージーが選べるとあって、大人気です。テイクアウト専門店ですが、専用カウンターがあり、その場で味わうことができます。

この店のこだわりは、作り置きを一切せず、オーダーごとに一杯ずつ目の前で作ること。作りたてのおいしさが味わえます。不動の人気を誇る定番の「生搾りオレンジジュース」をオーダーすると、目の前で大きなオレンジが2個、丁寧に搾られ、たっぷりの果汁となってカップに注がれました。

でき上がりを待つひとときはライブ感たっぷり、とDJみそしるとMCごはんさん。「待っている間にフレッシュな香りが漂ってくるのも、できたてだからこそ。気分も上がります」

ジュース以外にも、旬のフルーツを使った、体に優しい手作りのフルーツゼリーなども。動物性のゼラチンを使わず、海藻から抽出したもので作られた植物性ゼリーで、ヘルシー。「ゼリーってみんな好きだから、おもたせにもいいですね」

作りたてのジュースを片手に、売場の裏手にある専用カウンターでひと休み。「オレンジの粒々が感じられて、果物そのものを食べているような感じ。買い物で疲れたときにはもちろん、帰る前の5分、10分だけでもリフレッシュしたいときにもぴったりですね」

お天気のいい日は、松屋銀座の屋上や8階MGテラスに持って行って休憩するのもおすすめです。「子どもといっしょでも喜びそう!」

〈ヤマサン〉

営業時間:午前11時〜午後8時
日曜日または連休最終日は午後7時30分まで
(ラストオーダーは閉店の10分前まで※一部商品は閉店の20分前まで)

松屋銀座のイートインだから、 “銀座感”とプロの技を気軽に

「どこも買い物の道中にあって、サクッと立ち寄れますね。レストランのように区切られていない空間で、売場の食べ物のいい匂いや活気を感じながら食べて飲む体験は、食いしん坊にはたまりませんでした。買い物には体力が必要ですし、途中で気軽にパワーチャージできるのはありがたいです。さっと寄れるので、これなら家で待つ家族への罪悪感もありませんし(笑)」

デパ地下の小さなカウンターだからこそ、銀座のレストランや喫茶店よりも敷居が低いのに、“銀座感”がしっかり味わえたのもうれしかったそう。「〈茶の葉〉さんは、店内のしつらえや商品を1000年先でも使えるように作っているそうです。先を見据えて上質な商品やサービスを提供する、プロの仕事が体感できるのは、100年続く松屋銀座さんのイートインならではなのだと思います」

PHOTO/NORIKO YONEYAMA TEXT/KAORI AKIYAMA