2月22日の「猫の日」にちなんで、人気作家の作品を展示販売する「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」が、2月18日(水)より松屋銀座1階スペース・オブ・ギンザで開催されます。松屋銀座開店100周年のテーマ「つなぐ、つなげる、つながる」に合わせて、「猫と仲間たち」をモチーフにした”つながり”を感じる作品や、幸せを願う縁起物が勢揃い。本記事では、今回の展示に参加する陶芸アーティストやきものHACCHIさんへのインタビューと、おすすめ作家の作品をご紹介します。

幸せをはこぶ、世界に一つの招き猫。やきものHACCHIさんに聞く、100周年イベントへの想い

プロフィール

陶芸アーティスト
やきものHACCHIさん

幼少より絵を描きはじめ、大学時代に「土」と出合う。多摩美術大学絵画科卒業後、茨城県立窯業指導所釉薬科で学ぶ。笠間の小林三千夫・優子氏に師事。2004年つくば市に築窯し独立。旅や物語をテーマに、オブジェからイラストまで幅広く展開中。

https://www.instagram.com/hacchi_ceramics

― HACCHI さんにとって「猫」とはどんな存在ですか?

「私にとって猫は、心地よさを知り尽くした、自由で媚びない美しい存在です。今は亡くなってしまいましたが、我が家はずっと猫と暮らしていました。 冬の仕事場、一番暖かいストーブ横の私の椅子に飛び乗り、丸くなって眠る猫が可愛くて、いつしか私の定位置はその隣になりました。また、作業台の作品を器用にするりと避けて歩く、あの優雅な姿が忘れられません」

― 今回の「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」では、素敵な猫の焼きものを出品していただきました。この作品には、どんな想いやメッセージを込められたのでしょう。

「以前から、日本の文様が持つ格調の高さと、時代を超えても色あせないモダンな美しさに魅力を感じてきました。 今回制作したのは“招き猫 ”。手に取ってくださる方に福をもたらす存在となるよう、宝物のような縁起の良い文様を一つひとつ丁寧に描き込んでいます。日々の暮らしの中で、そっと幸運を招き、心に小さな喜びを添える作品になれば嬉しいです」

― 制作のプロセスで特に意識されたことや、苦労した点があれば教えてください。

「陶芸は、土・火・水という自然の要素を扱うため、すべてが人の思い通りに進むわけではありません。その“予測できなさ”こそが、制作における最大の苦労であり、同時に大きな魅力でもあります。 特に大きな作品では、窯の中で割れてしまうこともありました。無事に焼き上がった後も、理想の色合いにたどり着くまで、 何度も焼成を重ねています。そうした緊張感のある工程を経ながらも、猫の表情は、見る人にそれを感じさせないよう、 愛らしく、やわらかな雰囲気になるように心がけました」

―HACCHIさんはこれまでも松屋銀座で作品を発表されてきました。特に印象に残っている出来事やエピソードはありますか?

「初めて松屋銀座の展示に参加させていただいた際、想像以上に多くのお客様に足を運んでいただき、“やきものHACCHI”がこれほどたくさんの方に支えられているのだと、胸が熱くなったことを今でもよく覚えています。 作品をご覧になりながら直接かけていただいた温かいお言葉や、一点一点を慈しむように見つめてくださるお客様の眼差しは、今もなお制作を続けるうえでの大きな励みになっています」

―猫好き・アート好きの皆さんに、どのようにイベントを楽しんでほしいですか?

「今回は松屋銀座の歴史と伝統に敬意を表しながら、“この場所、この瞬間にしか出合えない作品をお届けしたい”という想いで制作しました。今の私が持つ技術と情熱のすべてを注ぎ込んだ自信作です。 ぜひ皆様の目で、その細部まで確かめていただければ幸いです。

 また多くの作家さんが集うイベントですので、ぜひ宝探しをするような気持ちで、自由に会場を巡ってみてください。ふと心に留まる作品に出合えたら、ぜひ足を止めてじっくりとご覧いただき、その奥にある物語にもそっと触れていただけたら嬉しいですね」

― 最後に、松屋銀座 開店100 周年の節目にあたり、今後へのエールをお願いします。

「開店100周年、おめでとうございます。この記念すべき節目に、松屋銀座という歴史ある特別な場所で作品を披露できることを、とても光栄に思います。 これからも大切な伝統を受け継ぎながら、新たな感動や心躍る出会いを届ける場であり続けることを、心より楽しみにしています」

「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」では、やきものHACCHIさんの4作品(各1点限り)を開催期間を通して展示、抽選販売します(※当選発表は2月25日(水))。HACCHIさんが一つひとつ心を込めて制作した、美しい作品に触れてみてください。

開店100周年を祝って人気クリエイターが集合。おすすめの作家をピックアップ!

今年の「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」には、全国各地から70組を超える作家やクリエイターが参加します。ここでは松屋銀座おすすめの作家作品と、松屋銀座開店100周年を記念した作家のスペシャルメッセージを合わせてご紹介します。

キービジュアルを描き下ろした、台湾の人気”猫漫画作家”

●コミッククリエイター 三貓俱樂部(3CATS CLUB) ・咪仔(ミーザイ)

猫をテーマにしたノンフィクションコミックシリーズ「三貓俱樂部(3CATS CLUB)」が話題の、台湾の漫画作家・咪仔(ミーザイ)さん。今回は展示のために、特別にキービジュアルを描き下ろしてくれました。

「作品タイトルは『COME TOGETHER』。三匹の猫とその仲間たちが、温かく居心地のよい空間に集う様子を描きました。窓の外では、一匹の猫が小さな宇宙船に乗り、帰路へと旅立とうとしています。遠くにぼんやりと輝く街の灯りは、私たちがこれまでに訪れてきた数々の場所や旅路の象徴です。どんなに遠くへ行っても、やがて人は温かな家へと戻り、家族や友人と再びひとつになる。再会に宿る安らぎと幸福、そして人と人をつなぐ絆への想いを込めています」(咪仔さん)

咪仔さんからの100周年記念メッセージ

松屋銀座開店100周年、心よりお祝い申し上げます。長きにわたり時代とともに歩み、多くの人々の暮らしと心を豊かにしてこられたその歩みに、深い敬意を表します。この特別な節目に関わらせていただけることを、大変嬉しく思っております。次の未来へと続く歩みに、心より祝福をお送りいたします。

猫の愛らしさと物語を伝える、繊細な彫りと色彩に注目

●雑貨作家 arica

宝の在り処、秘密のありか、心のアリカ……。aricaは大切な物がある場所を示す言葉。「作るものが誰かのaricaになれたら」、そんな思いを込めて作られた木彫りのブローチやアクセサリーなど、心温まる手仕事が評判です。

「猫をモチーフにして作ることが大好きです。小さな猫のブローチから猫の愛らしさが伝わるよう、細かな彫りで毛並みを、レジンでうるうると輝く瞳を表現しています。ご覧くださる皆様に、それぞれの物語を感じていただけると嬉しいです」(aricaさん)

aricaさんからの100周年記念メッセージ

松屋銀座開店100周年、おめでとうございます。伝統ある憧れの松屋銀座様の記念すべき節目の展示で、私の作品を多くの方にご覧いただけることがとても嬉しく光栄です! 次の100年も、素晴らしい出会いと感動に溢れた場所でありますことを願っております。

日常の温もりを紡ぐ、母娘の手仕事ユニット

●刺繡がま口作家 Rei&gamazoku

刺繍とイラストを手掛けるRei と、仕立てを担う母・gamazokuによる母娘の手仕事ユニット。ミシンで絵を描くように綴る「フリーモーション刺繍」で、ゆるりとした猫たちの日常を描いています。手に取った方が思わず“にんまり”してしまうような温かい世界観を大切に、想いを込めて日々制作に励んでいます。

「オリジナルの木の口金と、一点ずつ刺繍を施した『木がま』。図案は全て異なり、作品の雰囲気に合わせ木を選定しています。どこか懐かしい日常の風景を描くことが好きで、喫茶店と猫をモチーフに制作しました。このほかにも銭湯や駄菓子屋などもございます。 手描きのような親しみのある線と、母が仕立てる温かな使い心地。会場に並ぶ様々な物語の中から、思わず“にんまり”する一点をぜひ見つけてください」

Rei&gamazokuさんからの100周年記念メッセージ

松屋銀座開店100周年、心よりお祝い申し上げます。5年前、活動を始めたばかりの私を温かく迎えてくださったこの場所は、今も変わらず大切な原点です。 この特別な節目に、感謝の気持ちを込めて家族で作り上げた一点ものの手仕事をお届けします。皆様の毎日に、彩りを添えられますように。

絵画や陶芸、雑貨やアクセサリーなど、クリエイターの物語がつまった作品が一堂に会する「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」。素敵な人やものとの出会いや、そこから生まれる新しいつながりを、ぜひ会場で見つけてみてください。

「幸せをはこぶ猫と仲間たち作家展」

会期:2026年2月18日(水) ―2月24日(火) 
時間:午前11時―午後8時
(2月20日(金)・21日(土)は午後8時30分まで、23日(祝・月)は午後7時30分まで)
場所:松屋銀座1階スペース・オブ・ギンザ

TEXT/MAKIKO WATANABE