第41回を迎える松屋銀座恒例の「生活が育てた器たち 砥部焼展」を2026年1 月21 日(水)ー1 月27 日(火)に開催。会場の一画に開店100周年を記念した「TOBE100 小皿・小鉢」のコーナーを特設し、形も絵付けもさまざまな小皿・小鉢を紹介します。この記事では、会場に登場する小皿・小鉢を使って、盛り付けデザイナーの飯野登起子さんがその活用術をレクチャー。砥部焼を食卓に取り入れて、日々をより楽しく過ごしてみませんか。

監修

盛り付けデザイナー
飯野登起子さん

PROFILE

鎌倉出身。多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻科卒業。紙の上に絵の具を置くかのように彩りを考えて器に素材や料理を盛り付けていく、盛り付けデザイナーとして盛り付けと併せて撮影もおこなう。百貨店のディスプレイ、日本各地の窯元、陶芸家のために魅せるデザインを手がける。飯野登起子HP

約250年の歴史を持つ、暮らしに寄り添う砥部焼の器

白磁×呉須の藍色が美しい、砥石の産地から生まれた陶磁器 

愛媛県砥部町を中心に生産される砥部焼。起源は江戸時代中頃。砥石を採掘する際に出る砥石のくずを原料に磁器の開発に取り組んだことから歴史が始まりました。

砥部焼の特徴は地元の良質な陶石で作られる白磁と、手描きによる呉須(藍色の顔料)の絵付け。ぽってりと厚みのある作りで丈夫なことから、古くから生活の器としても親しまれてきました。

時代の流れとともに、さらに生活の器に特化。老舗の梅山窯が考案した唐草文様が砥部焼を代表する文様になりました。さらに近年は絵付けのスタイルが多様化し、四季折々の草花をモチーフにしたり、動物や人を描いたり。呉須以外の色彩も取り入れられ、形もさまざま。表現の幅がますます広がって、ベテランから若手まで、作り手たちの個性が花開いています。

使い勝手のいい砥部焼は現代の暮らしにもフィット 

和食器のイメージが強い砥部焼ですが、洋食やスイーツなどに合うデザインの器もいろいろ。ぽってりとした厚みのあるフォルムで丈夫なうえ、磁器のため汚れが染みにくく扱いやすいのも魅力。電子レンジ対応の皿もあり、手作りの温もりと実用性を兼ね備えた器として、現代の暮らしにもぴったりです。

砥部焼の日常遣いに嬉しいポイント 

・白磁に藍色の呉須が映えるデザインで、和洋中どんな料理にも合わせやすい
・厚みのあるぽってりとしたフォルムで丈夫
・磁器は吸水性がないため汚れが染みにくく、扱いやすい
・手描きならではの温かみがあり、忙しない日々の食卓にやさしい雰囲気をプラス

盛り付けデザイナー・飯野さんが伝授! 砥部焼の小皿・小鉢のシーン別アレンジ

朝・昼・夕。砥部焼の小皿&小鉢で日常の食卓を楽しく演出 

作り手たちの個性が花開いた現代の砥部焼。デザイン性にあふれ、選ぶ楽しみもありますが、どこか共通するあたたかみや風情を感じさせてくれます。

「地元の陶石を原料に作られるふくよかなフォルムの磁器、昔から変わらない手描きによる絵付けなど、作り手たちが伝統を大切に守りながら、思い思いに作陶しているからだと思います。だからこそ、違う作り手や窯元の器を組み合わせても、違和感なくしっくりと馴染む。それが砥部焼の大きな魅力ですよね」と話すのは、盛り付けデザイナーの飯野登起子さん。

今回は、器の美しさを引き出しながら、さまざまなスタイルの盛り付けを提案してきた飯野さんが、砥部焼展の特別企画「TOBE100 小皿・小鉢」で実際に販売される小皿・小鉢を使って、その活用方法をレクチャー。朝食、昼食、夕食と、日常の食シーンごとに彩り方を教えていただきました。

>>飯野さんの砥部旅レポートはこちら

アレンジ01_BREAKFAST
使いたい器に合わせて献立をチョイス!

「普段は、この料理をどの器に盛り付けようと考えることが多いと思いますが、器を主役に逆の発想を提案。“この器のために、なにを盛り付けるか”という視点で朝食を用意してみました。オーバルの小皿にかわいらしく収まるよう、うずらの玉子で目玉焼きを作り、パンはミニクロワッサンをセレクト。小鉢にはサラダ、シチュー、ヨーグルトを盛り付けました」

POINT

和風の小皿には朝食の定番・目玉焼き、モダンな小皿にはクロワッサンと、器のテイストに合わせてメニューをチョイス。小鉢はカップやボウル感覚で使うと、活用の幅が広がります。

アレンジ02_LUNCH
買ってきたお弁当を小皿と小鉢に盛り付けて


「デパ地下やスーパーのお惣菜を器に移し替えて食卓に並べるのと同じ感覚で、買ってきたお弁当にもひと手間。ぜひ器に盛り付け直して味わってみてください。とくにお弁当は、おかずが少しずついろいろと盛り込まれていることが多いので、小皿や小鉢が大活躍。普段のランチでもごちそう感がアップして、ちょっとしたおもてなしにもぴったりです」

POINT

砥部焼の小皿や小鉢はデザインがさまざま。高台の皿と平皿を組み合わせることで、フラットになりがちな食卓に立体感が出て、料理を引き立てます。高級感も増すので、食卓が華やかに!

アレンジ03_DINNER
産地の食文化を取り入れて豊かな食卓に

「伝統ある産地の器は、地域の食文化とも関係が密接。夕食には、じゃこ天、いもたき(里芋、椎茸、鶏肉などを煮こんだ料理)といった郷土料理をはじめ、愛媛にちなんだメニューを用意しました。料理は小皿や小鉢に盛り付けるだけでなく、中皿も活用して、小皿・小鉢に取り分けるスタイルに。砥部焼が並ぶ食卓を家族や仲間と囲み、器とその産地の食文化も一緒に楽しんでください」

POINT

愛媛産の干し筍のきんぴらや、瀬戸内海のひじきを使った炊き込みごはんなど、色味が地味な料理との相性よし。意外なほど呉須などの色彩が料理を引き立て、彩りのある食卓に。

ほかにもある!暮らしの中の小皿・小鉢の楽しみ方

小皿は、ピアスやブローチなどのアクセサリートレイや、小物入れとして利用することもおすすめ。インテリアのちょっとしたアクセントにもなり、暮らしの彩りに。

小鉢はフラワーベースにも。エディブルフラワーやハーブを生けて、食卓やキッチンに飾っておくと、愛でるだけでなく、料理やスイーツなどの盛り付けにも手軽に使えます。

REPORT 窯元めぐりや採石場を訪問。飯野さんの砥部の旅

「作り手に直接会い、産地の雰囲気も自分自身で感じてから盛り付けをしたい」と、事前に産地へ足を運んでいた飯野さん。その様子を飯野さん撮影の写真と共に紹介します。

「現地では、砥部焼協同組合の理事長でもある、窯元『陶房遊』の松田啓司さん、奈織子さんご夫妻に案内いただきました。『陶祖ヶ丘』では砥部焼の歴史を感じ、かつての採石場や坏土(はいど※焼物の原料となる土)の製造の見学も。このときに特別にいただいた陶石は今回の撮影で箸置きに使いました」

砥部にある5つの窯元を訪ねた飯野さん。とても印象的だったのが、どの窯もご夫妻で作陶に取り組まれていることでした。

「旦那様が成形し、奥様が絵付けする窯元もあれば、夫婦それぞれで器を作る窯元も。伺ってみると、砥部にはご夫妻で切り盛りする窯元が多いそうです。そうした姿は、砥部焼が持つ温かみにもつながっているように思います。砥部焼はどの窯元も小規模生産。作り手たちのコツコツと丁寧な仕事に、小さな器にもたくさんの思いが込められていることを感じました」

松屋銀座開店100周年記念「TOBE100 小皿・小鉢」

2026年1 月21 日ー1 月27 日に開催する、松屋銀座恒例の催事「第41回 生活が育てた器たち 砥部焼展」内の特別企画として「TOBE100 小皿・小鉢」が登場します。

このほか、砥部焼展では、個性豊かな35の窯元の様々な器がずらり。ろくろの実演や期間限定商品、曜日限定のお買い得品などもお見逃しなく!

特別企画「TOBE100 小皿・小鉢」/「第41回 生活が育てた器たち 砥部焼展」
会期:2026年1 月21 日(水)ー1 月27 日(火)
午前11時ー午後8時※最終日は午後5時閉場
会場:8階イベントスクエア
入場料:無料  ※物販の購入にかかる費用は別途必要になります
◆初日1月21日(水)は松屋の各種カード会員様限定購入DAY ※お会計の時に、松屋の各種カードの利用が必須となりますのでご注意ください

PHOTO/MASAHIRO SHIMAZAKI TEXT/MIE NAKAMURA