新しい年が近づく今、松屋銀座では、新年の幸福を呼び込む縁起物を集めた『銀座「福」迎え』を2025年12月31日(水)まで開催中です。正統派の正月飾りはもちろん、長年お付き合いを続けてきた工芸作家の縁起物や、モダンデザインの正月飾りなど、松屋銀座らしさあふれるアイテムが勢揃い。今回は、開催中のイベントの様子と注目アイテムをご紹介。ぜひみなさんも実際に訪れて、いい年を迎える準備を致しましょう!
楽しい2026年への祈りを込めた『銀座「福」迎え』をレポート。会場で注目したい縁起物も教えてもらいました

「縁起物で楽しいお正月!」をコンセプトとする『銀座「福」迎え』。会場の<遊びのギャラリー1979>には壁や棚を埋め尽くすようにお正月の縁起物がぎゅぎゅっと並び、お正月らしい赤やゴールドの彩りはおめでたい雰囲気いっぱいです。
「20年以上前から実施してきた『金沢からお正月』を2年前からリニューアルして開催。松屋銀座ならではの、地域や作家さんとの“つながり”を活かした大切なイベントなんです」と、生活デザイン部生活デザイン課バイヤーの三原さん。想い入れあふれる担当者のみなさんに、早速見どころを案内していただきましょう。

「元々『石川県デザインセンター』との協業から発展したイベントですので、石川県の工芸作家さんに多く参加いただいているんですよ」と石塚さん。下橋さんは「大きな特徴は、作品の企画段階から作家や工房など作り手さんとのやり取りを重ねて“松屋らしいもの”を作っていただいていることです」と力を込めます。
“松屋らしいもの”とは? 「例えば、十時啓悦さんの漆器。分業制ではなく、木地挽きから塗り、加飾まで一貫してご自身で制作されるので、使いやすさはもちろん、デザインの独自性も魅力です」(下橋さん)


午年に合わせた馬モチーフの置物も充実。「村田菜穂美さんは金沢の九谷焼作家で、九谷焼の伝統的な色彩を活かしつつも、モダンでかわいらしい作風が特長です。今回松屋には、ドット柄などモダンな馬の作品をいろいろ出してくださっています」(下橋さん)


むろまいこさんのカラフルな馬の作品にも注目を。「むろさんはメキシコでアートを学んだ方で、絵本や子供番組でも人気上昇中。年末恒例のお正月用品の催事に長年参加し、作品を丁寧に売りたいと毎年在廊してくださっていて、今回も12月26日(金)から在廊予定です」(石塚さん)
「デザインの松屋」らしい、モダンさと上品さを兼ね備えたデザインの工芸作品がいっぱい。長年継続する中で丁寧に伝え続けてきたからこそ工芸作家のみなさんが“松屋好み”をよく理解し、信頼関係の中で制作されたことが伝わるラインナップです。
親子2代で参加する作家がいるのも、長く続くイベントならでは。親子や夫婦で参加する作家は、近いからこそ刺激を受けるよきライバル同士。同じ工房からこんなに異なる個性の作品が生まれるんだ!と見比べるのも楽しいですよ。



総勢20名以上の作家が参加していますが、今年初登場のメンバーの作品も必見です。「“楽しいお正月”がコンセプトなので幅広い方々に楽しんでいただこうと、若手の作家さんにもお声がけしてバリエーションを広げました」(三原さん)


2026年のお正月を楽しくしてくれる縁起物セレクション
ここからは、会場でチェックしたい作品たちをテーマ別にピックアップしてご紹介。2026年に幸せを運んでくれそうな、楽しく上質なデザインをどうぞお手元に。一点ずつ手作りのため数に限りがあるため、早めにチェックするのがおすすめです。
【干支もの】愛らしい“馬”のオブジェや器にワクワク

ハッピーオーラあふれる、鮮やか色のお馬さん
作り手◆むろまいこ
メキシコのアートに通ずる鮮烈な色彩で表現する自由な作風が人気のむろまいこさん。ファンタジックな水玉模様の馬たちは表情もユーモラスでやさしく、目にするだけで思わず笑顔に。午年以降もずっと大切に愛でていたくなります。

九谷五彩の新しい表現に、心をぎゅっと掴まれる
作り手◆小林加奈
九谷焼の技法で絵付けを行う小林加奈さんは今回初登場。古典柄をまとって星月夜を駆ける馬の小皿はまるで夢の世界。構図も心地よくじっくり眺めてしまいます。豊かな想像力と遊び心を繊細な筆致で表現した作品の数々、ぜひご堪能を。

造形はもちろん、「赤」の表情の違いにも注目を
作り手◆〈赤地陶房〉赤地健・赤地径
金沢市で九谷焼を制作する〈赤地陶房〉からは、赤地健さんと径さんの父子2代で参加。干支の置物だけを見ても、作風の違いがよくわかるはず。赤色の表情にも特徴があり、健さんはマットで力強く、径さんはやさしくつややか。会場でぜひ見比べて。
【縁起物】現代の暮らしにフィットする招き猫やガラスの鏡餅

目が合えば、思わず連れ帰りたくなる猫たち
作り手◆中村多喜美
背中にしっかり「福」を背負い、かわいいけれどどこか不敵な表情でたたずむ猫は、金沢市で活動する中村多喜美さんの作品。「目が合っちゃった」と連れ帰る猫好きが続出なのだそう。会場にはさらに多彩な大きさや表情の猫ちゃんが待っていますよ。

明るいパワーをもらえそうな、ポップな招き猫
作り手◆志村リョウ
造形作家・志村リョウさんも今回初登場。カバなどの絶滅危惧動物をはじめ、動物をモチーフに作品制作を行っています。今回は、愛らしくも力強い表情でパワフルに福を招いてくれそうな招き猫のほか、カラフルな馬の置物も販売。

長く愛用したい、すりガラス製の鏡餅
作り手◆〈ガラス工房 蕾〉内藤広宣・内藤紀子
最近人気のガラス製の鏡餅飾り。石川県白山市「ガラス工房 蕾」の鏡餅はすりガラス製で、モダンでありつつお餅っぽさも。お餅の膨らみや橙の大きさ、葉の形が1点1点異なるので、見比べながら好みのものを選ぶのも楽しい!
【お正月アイテム】自分の正月スタイルや気分に合わせてセレクト

箔模様きらめく漆器でお屠蘇がいっそう特別に
作り手◆十時啓悦
武蔵野美術大学の名誉教授でもあり、約20年前の「金沢からお正月」開始時から指導者として参加してきた木漆工芸家・十時啓悦さん。木地から塗り、加飾までを手がける漆器は、芸術性の高いデザインと実用性を両立。漆器としてはお手頃なのも魅力です。箔模様の酒器はおめでたさ満点!

お正月の食卓を華やげる、九谷焼の重箱
作り手◆〈赤地陶房〉赤地健
珍しい陶器の重箱は、蓋物を長年作り続ける赤地健さんの作品。細かくリズミカルに描かれた青葉の中から時折顔を出す小鳥たちや、中に描かれた小さな花に心和みます。ハレの日の特別な食事を温かに彩ってくれる逸品です。
華やかな正月飾りをテーブルコーディネートにも
作り手◆<エム・エチ・ビープランニング> 村山百合子
正月飾りは和風のものが多いけれど、村山さんが作るのは、造花や松ぼっくりをあしらったモダンなもの。現代の住空間にも違和感なくなじんでくれます。右の小型の飾りは、壁かけのほか、テーブルコーディネートのアクセントにもぴったり。



江戸好みの味わい深い布小物をお年賀に
作り手◆濱甼髙虎
昔ながらの染工法を使って江戸好みの布製品を作る〈濱甼髙虎〉。江戸の町民に愛された「かつお縞生地」に抜染(ばっせん)で猫を染め抜いた合財袋(ポーチ)や古典柄の手ぬぐいは外国人観光客にも人気だそう。お年賀にもおすすめです。
編集後記
新しい年を晴れやかに迎えたいというお客さまに長く愛されているこのイベント。正月飾りが縮小傾向にある中だからこそ、松屋銀座ではお正月の伝統行事の継承を願って続けていきたいと考えているのだそう。ぜひ実際に訪れて作品を手にとり、色味や手ざわりを確かめながら、お正月をともに迎える相棒を見つけてください。
12月31日まで開催! 松屋銀座の『銀座「福」迎え』で楽しいお正月を

会期:2025年12月31日(水)まで ※最終日午後3時閉場
会場:7階 遊びのギャラリー1979
※2025年12月31日(水)午後3時以降および2026年1月3日(土)・4日(日)のみ、厳選した一部商品をおりふしギフトラウンジ内にて継続して販売します
※掲載品は数に限りがございます。売り切れの場合はご容赦ください
※掲載品は、手作りのため個体差がございます
PHOTO/NORIKO YONEYAMA TEXT/MIYO YOSHINAGA
















