松屋銀座の開店100周年を記念し、トラベル部門が松屋をご愛顧いただいているお客様向けにご用意した、京都市内と京丹後を巡る2泊3日の特別なツアー。登録有形文化財での舞妓鑑賞、森と美術館と食が融合した「和久傳ノ森」、間人蟹の美食体験、そして西本願寺の非公開エリア拝観など、京都の奥深い魅力をたっぷり堪能できます。ツアー企画を担当した松屋銀座・粟さんの視察コメントや、京都で迎えてくれる方々の声も交えながら、旅の魅力を紹介します。

100周年記念企画検討部
個人外商部
CS推進課
課長 粟稚枝さん
開店100周年を記念した「京都トラベルツアー」の企画・視察を担当。チームにおいてリーダーの役割を担い、お客様目線での特別な旅づくりに尽力。
京都市登録有形文化財の建物で芸妓・舞妓の舞を鑑賞
新幹線で京都駅に到着したら、最初に向かうのは、伝統が息づく街、祇園。総本家駿河屋の流れを汲み、芸妓・舞妓に愛されてきた飴菓子で有名な菓子司「するがや祇園下里」へ。こちらの建物である下里家住宅は、1895(明治28)年にお茶屋として建てられ、京都市登録有形文化財に登録されています。今回は特別に、土間部分の販売スペースに続く、普段は入ることのできない内部へ。
広い階段を上ると、中央に床の間、左右に違い棚を配した珍しい造りの客室があり、こちらで京都文化でもある仕出し弁当をお召し上がりいただき、芸妓・舞妓の舞を鑑賞します。その後、1階奥の茶室でお点前をいただきます。

「母の実家で、代々菓子司を営みながらこの住宅を守ってきました。昔ながらのお茶屋のしつらえで芸妓さん・舞妓さんの優雅な舞をお楽しみください」と七代目の井上真由美さん。なかなか見ることのできないお茶屋の建物で、仕出しのお弁当を味わいつつ、優雅なお茶屋遊び体験もお楽しみください。

視察コメント
下里家住宅はこじんまりした空間で、祖父母の家に来たような懐かしさと趣を感じます。女将さんをはじめ、働いていらっしゃる方がとても温かくて、気持ちの良い空気が流れていました。また「建物を代々受け継ぎ、ちゃんと使ってきたからこそ、いまこの姿で残っている」という女将さんの言葉が印象的でした。ぜひ多くの方に訪れていただきたいです。(松屋銀座・粟さん)
森とアートと美食に癒される、京丹後での豊かなひととき
2日目はホテルからタクシーで京丹後に向かいます。最初の目的地は「和久傳ノ森(わくでんのもり)」。京都市内の料亭「高台寺和久傳(こうだいじわくでん)」をはじめとする和久傳(グループ)は、1870(明治3)年、和久屋傳右衛門(わくやでんえもん)が京丹後で料理旅館を開いたことから始まりました。その発祥の地に地域の人々と共にクワやコナラなど56種類、約3万本の苗木が植えられ、新たな森が育まれています。
森の中にある「工房レストランwakuden MORI(モーリ)」での昼食は、大きなガラス窓から四季折々の自然の豊かさを感じられ、とても気持ちのよいもの。


丹後産の食材や、森で栽培・収穫された季節のおいしさが楽しめる特別なランチコースは、先付けからはじまり、魚料理をメインに、釜炊きのごはんとお味噌汁という内容。「当店では、素材をそのまま生かす料理をお出ししています。農家さんが食べに来てくれたとき『うちの野菜、使ってくれてる!』と喜んでいただいていますように、調理も素材の持ち味を引きだしシンプルに。丹後の素材そのものが新鮮で美味しいと味わっていただければと思っています。」とスタッフ一同。森の中にあるアットホームな雰囲気の空間で、つい時間を忘れて長居してしまいたくなります。
レストランには工房も隣接しています。「紫野和久傳」で人気の「れんこん菓子西湖(せいこ)」をはじめ、家庭でも楽しめる和久傳の味がつくられる工程を見学できます。

森の中のコンクリートの回廊を進むと、黒い杉板張りの建物が見えてきます。「森の中の家 安野光雅館」は、世界中を旅した風景画家・安野光雅の原画を展示している美術館です。


建物を設計したのは世界的な建築家・安藤忠雄。繊細で柔らかな筆致の安野作品。その世界観と呼応するよう、森にひっそりとたたずむ形で建てられました。館内では、森の緑と光をほどよく感じられるようにスリット窓が設けられ、自然の中で水彩画を鑑賞できるように工夫されています。


ツアーでは副館長の伴とし子さんによる展示作品の説明もあり、より深く安野作品の魅力に触れることができるのもうれしいポイント。「当館の額縁も、建物の色彩に合わせ、安藤先生と安野先生が考えてくださったもので、この空間は、お二人の巨匠のオリジナル作品といっても良いと思います」と伴さん。すがすがしい森の緑の中で、地元のおいしい食材や季節の旬を感じて味わい、美術館では上質なアートを満喫。身も心もゆったりとした豊かな時間が流れます。

視察コメント
「自然がとても豊かなところ」というイメージだけで京丹後へ向かいましたが、実際に自然の中の風の柔らかさや、木々の香りを感じてとても気持ちの良いところだと実感しました。そんな場所で、地元のものを味わい、安野さんの作品が見られることはとても心が休まる体験です。(松屋銀座・粟さん)
日本海を望む名宿で、幻の「間人蟹」と温泉に癒される
タクシーはさらに北・間人(たいざ)地域へ。この日の宿「間人温泉 炭平」に向かいます。1868(明治元)年、舟大工であった平吉が、料理で人をもてなすことが好きだったことからはじまった旅館です。その名は平吉が墨壺(木材に直線を引く大工道具)の使い手であったことに由来するそう。

到着したら、まずは海が眺められる二つのラウンジでひと休み。本館のラウンジでは、ソフトドリンクとともに地酒など日本酒が並び、300冊の蔵書を誇るライブラリーも兼ねた離れのラウンジでは、ワインやウイスキーといった洋酒を楽しむことができます。いずれも滞在中はいつでも利用できます。

客室はすべてオーシャンビュー。大きな窓から日本海が望め、特に夕景や、夜の漁り火のきらめきは、おのずと見入ってしまいます。室内のしつらえは和モダンに統一され、名産品「丹後ちりめん」の文化が感じられるエッセンスがあちらこちらに。


また部屋付きの半露天風呂とともに、貸し切りの露天風呂(一部有料)が計6つも完備されています。

こちらのメインは、目の前の日本海から水揚げされたカニ料理。レストランでは、間人港で水揚げされた希少種で“幻の蟹”とされる「間人(たいざ)蟹」をご用意。繊細な甘みと上品な味わいが特徴で、通常は1日3組限定で提供してる特別なプランを楽しめます。
カニはそのおいしさを最大限に引き出すため、調理するまでに数日間、水槽で寝かせるなど、熟練の職人の細やかな業(わざ)が冴え渡ります。そして調理法はいたってシンプルに。絶妙な塩加減が際立つ「茹でガニ」やカニの身の弾力や繊維のうま味が感じられる「カニ刺し」、うま味が凝縮した「かにみそ」など、最上級のカニのおいしさをまるごと堪能できます。

「この地は、聖徳太子の母である間人(はしうど)皇后が都から逃げてきた場所と言われています。皇后が都へ戻るとき、「はしうど」という名を残していかれましたが、この地の人々はそのまま地名として名乗るのは恐れ多いと考え、皇后の地位を退座されたことから、“間人”と書いて“たいざ”と読むようになったのです。そこでこの宿でご提供するカニには、はしうどの名を付けさせていただきました」と語る支配人の大塚篤志さん。蟹にかける真摯な姿勢と、宿の確かな“目利き”が映し出されています。(※天候などの影響により、間人蟹ではなく、独自の厳しい視点で選び抜かれた最上級品質のはしうど蟹をご用意させていただく場合がございます)
「この宿では、お客さまへのおもてなしに“愛嬌”を大事にしています。景色の美しさ、カニのおいしさはもちろんのこと、お客さまそれぞれに、それぞれの居心地の良さをご提供できるよう努めています。それこそ、客室へご案内するとき、間人の由来から、この地域の歴史や文化の話に花が咲いてしまうこともありますよ」と大塚さん。京丹後の魅力を存分に味わえる、心から温かいお宿です。

視察コメント
お部屋から望む日本海の景色はとにかく圧巻!地域が誇るカニも存分に味わっていただいて、京丹後の自然を余すところなくご堪能いただけることは間違いないと思います。また、歴史豊かな京丹後という土地。お出かけになる前に、ぜひ少しだけ京丹後の歴史について勉強してから訪れると、さらに実り豊かな旅になると思います。(松屋銀座・粟さん)
京都の老舗で味わう、厳選された和牛のランチ会席
旅も最終日。京丹後に別れを告げて、特急「はしだて」で一路、京都駅へ。昼食は1869(明治2)年に京都初の牛肉専門店として創業した「モリタ屋四条猪熊本店」にて、ランチ限定の「和牛会席」をご用意しています。

専門店ならではの目利きで仕入れた和牛。そのおいしさを堪能できる会席で、前菜2種からはじまり、60gのサーロインステーキをメインに、季節のお料理も加えた盛りだくさんの内容です。
「モリタ屋発祥の地で、ここだけでしか味わえない和牛のおいしさをお届けします。11月は京野菜もおいしくなる時期ですし、選び抜いた和牛と滋味深い野菜のおいしさをご堪能ください」と料理長の高畑哲男さん。


視察コメント
「お客さまに一番おいしいものを提供したい」という想いから、銘柄にこだわるのではなく、職人の目利きで、その時に一番良い和牛を仕入れ、それに合わせて前菜からデザートまでを構成しているお店です。一切気を抜くことなく、一貫しておいしいお料理がいただけます。(松屋銀座・粟さん)
通常非公開エリアへ──西本願寺で出会う、国宝と美の世界
最後は、浄土真宗本願寺派の本山・「西本願寺」へ。国宝の御影堂や阿弥陀堂とともに、今回は通常非公開の「書院・能舞台」、そして京都三名閣のひとつ、国宝「飛雲閣」を特別に拝観いただきます。
書院は、一歩足を踏み入れるだけで、桃山時代の豪壮華麗な美がそこかしこに。どこか人間のようにも見える虎が描かれた「虎の間」からはじまり、国宝「対面所(鴻の間)」の壮大なたたずまいには息を呑みます。その筆が円山応瑞とも、吉村孝敬とも言われる「雀の間」は、絵師の筆が上手すぎてスズメが一羽飛んで行ってしまったという逸話が残ります。「雁の間」、「菊の間」を経て、国宝「白書院」の一の間、二の間、三の間(孔雀の間)を見学し、国宝「北能舞台」も拝観します。「東狭屋の間」の天井にはさまざまな書物の絵が描かれていますが、そのなかに一匹のネコが隠れています。書物をネズミから守るために、目を光らせる「八方睨みの猫」もぜひ見つけてみましょう。そして最後、枯山水「虎渓(こけい)の庭」は、中国・江西(こうせい)省・廬山(ろざん)にある渓谷を模して造られたもので、御影堂の屋根を廬山に、北側の巨石を枯滝に、砂礫(されき)を川の流れと見立てています。その景色は見事のひと言。境内に移り、東南の入口を入ると、三層こけら葺きの楼閣建築「飛雲閣」がお目見え。池に映るその姿は一見の価値があります。
「通常ではなかなか見られないものばかりなので、ぜひこの機会にご覧いただきたいと思います。また当日は、ご案内とともに、円山応挙にちなんだ法話もお話しする予定です」と統合企画室の建部紫縁さん。右も左も国宝や重要文化財ばかり。眼福この上ない体験です。
視察コメント
書院に通じる扉が開き、足を踏み入れた瞬間、荘厳な空気感と静寂を感じ、心が洗われるような、身が引き締まるような感覚がありました。通常非公開のエリアでの見学は、説明を聞きながらこそ知ることができることばかり。「八方睨みの猫」は教えていただかないと分かりませんでした!本当にスペシャルな体験をお楽しみいただけます。(松屋銀座・粟さん)
さぁ、松屋銀座がお届けする2泊3日の京都・京丹後の旅、いかがでしたか?「京都は何度も訪れているけれど」という人にこそ、京丹後までぜひ足を伸ばしていただき、自然と歴史と、豊かな味覚に触れていただきたいと思います。また京都市内では、これを逃すと体験できない特別な企画ばかり。ぜひ、松屋銀座ならではの京都の旅をお楽しみください。
京の都の華と美食 伝統文化づくしの旅

【お問い合わせ・お申し込み】
松屋トラベルサロン
電話:03-3561-7311<直通>
営業時間:午前11時ー午後7時
お申し込み開始日:2025年7月19日(土)
※ご旅行お申し込みの際には、詳しい旅行条件を記載したパンフレットをお渡ししますので、お受け取りの上、必ず内容をご確認ください。
