2026年1月14日(水)―20日(火)に松屋銀座1階で開催された「津軽ツナガルマルシェ」。“松屋の地域共創“の取り組みのひとつであり、青森県津軽地域の魅力をたっぷり味わえるマルシェにはたくさんのお客様が来店し、大盛況のうちに幕を閉じました。会期中の様子とともに、青森県と松屋銀座とのつながりや、地域共創担当者の思い、そして皆さんに知ってほしい津軽の名産品をレポートします。

もっと深く、“津軽とつながる”喜びを届けたい。マルシェにかける松屋銀座の思い

今年で3回目を迎える「津軽ツナガルマルシェ」。初回は津軽物産展という名前でしたが、もっと深く、温かく、「津軽とつながる」喜びを届けたい。そんな思いから、名前を変え、津軽地域のまだ見ぬ魅力を知り、体感できるコンテンツを一堂に集める催事へと進化してきました。

これまでも、黒石市の津軽こけしを現代風のデザインに昇華させた「ルビンのこけし」や、松屋の顧客様向け「弘前市の桜鑑賞ツアー」など、多角的に青森県の魅力を発信してきた松屋銀座。

“松屋の地域共創”の担当者へ話を聞くと、自身が津軽に何度も足を運ぶ中で見つけた魅力を、より広めていきたいと思いを強めていました。
「津軽の方は、とても温厚で人情深い。でも、芯が強くて自分を持っている方が多いんです。お祭りの時期のエネルギーには、いつも圧倒されます。そして、食でいうとりんごだけではなく、嶽(だけ)きみというとうもろこしや、雪にんじん、カシスやぶどう……おいしい特産品がたくさんあるので、お客様にもっと知ってほしいと思っています」(松屋銀座・吉川祐未さん)

「今年は、楽しみにしていただくお客様の期待値を超えたくて」と吉川さん。昨年の好評を経て、今や松屋銀座の恒例行事になりつつあるこのマルシェですが、毎年楽しみにしてくれているお客様にも、初めてのお客様にも津軽の良さを体感してもらうために工夫を凝らしたそうです。津軽の事業者さんと二人三脚で開発した“松屋銀座ならでは”のデザインの視点でアップデートした限定商品や、五感で楽しむ食の実演を増やし、さらにワクワクが詰まった空間になりました。どんな商品が店頭に並んだのかは、次章以降でたっぷりと紹介します。

「めおと鳩」が幸せを運ぶ――チーム一丸となって取り組んだ伝統工芸品のアップデート

1階正面口から入ると、柱に止まったたくさんの鳩たちが私たちをお出迎えしてくれました。津軽地域に数ある工芸品の中から、今回、松屋銀座が共にアップデートするものに選んだのが、「下川原焼土人形(したかわらやきつちにんぎょう)」の鳩笛でした。

「下川原焼土人形」とは青森県弘前市の伝統工芸品の一つです。特に、江戸時代に子どものおもちゃとして作られ始めたのが始まりとされている「鳩笛」という鳩の形をした笛が親しまれています。見た目も色鮮やかで可愛らしく、置き物として見て楽しめることはもちろん、鳩の尻尾部分から息を吹き込むと「ホー」という優しい音色が鳴り、癒しを感じることができます。

そんな、鳩笛を松屋銀座がアップデートさせて生まれたのが、今回のマルシェで初めて登場したオリジナル商品「めおと鳩」です。この「めおと鳩」には、「大切な人といつまでも時間を分かち合えるように」という願いが込められています。

「めおと鳩」の制作にあたり、松屋銀座がまず着目したのは青森県の夫婦の素敵な習慣でした。青森県には「こぎん刺し」という刺し子の文化があります。「こぎん刺し」とは、夫が働くときに着る服に、妻が一針一針、幾何学模様を刺しあげる刺し子のことです。津軽の冬の寒さを凌ぐため、着物の生地を分厚くして暖かくしてあげるという身も心も温まる風習に共感し、今回のアップデートのコンセプトを「内助の功」に決めました。そして、柔らかく優しいシルエットを目指し、従来のものよりも鳩の体をふっくらとさせました。

商品のパッケージの上部には、鳥の巣の模様が描かれています。この箱を台座にして飾るのもおすすめとのこと。2羽の鳩を、寄り添わせてもよし、見つめさせてもよし、そっぽを向かせてもよし!?さまざまな「めおと鳩」の表情を楽しんでみてくださいね。

限定商品も登場した食品ブースで津軽のおいしいもの発見!

1階スペース・オブ・ギンザには、青森のおいしいものを求めて多くのお客様が足を運んでいました。

会場の中央で一際目を引くのは、お土産ブランド〈謹製 津軽たんげ〉の「金魚ねぷた」をモチーフにしたキャラクター。グラフィックデザイナーの佐藤卓氏がデザインを手掛けています。〈謹製 津軽たんげ〉は、津軽地域で親しまれているお菓子やジュースなどを、松屋が各メーカーと協力しながら、お土産ブランドとしてリブランディングしている取り組みです。

〈謹製 津軽たんげ〉の今回の最注目商品は、「弘前市 お麩のラスク」。メーカーと松屋がタッグを組んで、ゼロから商品開発をした、新商品です。ラスクならではの香ばしさと味わいを追求するために、お麩そのものから新しく開発しました。ラスクの形や、焼き加減、バターの配合、パッケージの形状まで、何度も試作を繰り返してたどり着いた自信作です。他にも、「アップルパイ」、「赤いりんごジャム」、「りんごジュース」が新たに仲間入りを果たしました。

その向かい側には、実演販売ブースがずらり!まずは、〈あら、りんご。〉の「プレミアム生アップルパイ」のショーケースがありました。担当の吉川さんも、開発工場がある場所まで訪問し、試食をしたというこだわりの一品。松屋銀座先行販売の2種(アップルミルクティー/いちご)のフレーバーが登場しました。りんごの甘酸っぱさと、個性豊かな素材の出合いが楽しめます。

また、弘前市の〈ピッツェリアMIA〉からは絶品スイーツが並びました。おすすめは「りんごロール」。契約農家から直接仕入れた青森県産の紅玉という品種のりんごを使用しています。りんごの薪で焼き上げたりんごがたっぷり乗った、りんごづくしの贅沢な味わいです。実はこのお店、松屋銀座チームが青森県に視察に行った際に偶然入ったお店で、そのおいしさに出合ったと言います。運命の“つながり”を感じさせる出店です。

津軽ツナガルマルシェを通して感じるのは、工芸品や食と、ジャンルにとらわれず津軽のいいものを広め、盛り上げたいという松屋銀座と津軽の皆さんの熱い気持ちでした。そして、津軽の魅力に触れたお客様が実際にその土地に行きたくなるようなワクワクする演出も散りばめられていて、会場には笑顔が溢れていました。

「お客様それぞれが津軽の魅力を発見して楽しんでくださったのではないかと思います。知られざる特産品を使った商品も手にとっていただけている様子もうかがえ、嬉しい気持ちでいっぱいです」と、吉川さんは今回のマルシェを振り返りつつ、すでに次の構想を考えなければと意気込んでいます。伝統を守りながら、今の暮らしに寄り添う進化を続ける松屋銀座の地域共創。次はどんな驚きと温もりを届けてくれるのか、楽しみです。

PHOTO/NORIKO YONEYAMA  TEXT/SERIE SAITO(TORENDOU)