2025年5月にお披露目され、お客様から大きな反響を集めた松屋銀座初めてのスーベニア。この秋、その新デザインがお目見えします。デザインは5月の第一弾に引き続き、グラフィックデザイナー・小杉幸一さんが担当。2025年10月29日(水)から3階・婦人雑貨売場に特設される「MATSUYA GINZA Souvenir Store」で販売がスタートします。今回は、プロジェクト発足から新作が商品化されるまでの、スーベニアチームメンバーの思いに迫ります。
>>デザイナー小杉さんによるスーベニア誕生記事はこちら
松屋銀座初のスーベニアは、こうして始まりました
開店100周年を記念した目玉コンテンツのひとつ、松屋銀座初のスーベニア企画。現在はプランナーの片岸さんと櫛引さん、婦人雑貨バイヤーの伊勢田さんの3人が中心となり、2025年10月29日(水)から始まる「MATSUYA GINZA Souvenir Store」での新作発表に向けて、プロジェクトを進めています。

(左)松屋銀座 自主運営部 婦人課
MD担当 バイヤー 伊勢田京平さん
2015年入社、2023年に婦人雑貨売場から、婦人靴、婦人靴下、ハンカチーフなどの婦人雑貨のバイヤーに
(中)松屋銀座 顧客販促部 顧客販促課
プランナー 片岸茉紀さん
2015年入社、さまざまな松屋銀座のプロモーション、イベントなどを企画・運営。エシカル・コンシェルジュ修了
(右)松屋銀座 顧客販促部 顧客販促課
櫛引紗絵子さん
2025年3月入社、松屋銀座のプロモーション、イベントなどの企画・運営に携わる。今企画には秋の新作から加入

スーベニア企画のそもそもの始まりは、2024年春のこと。松屋9代目・古屋毅彦社長の「開店100周年を機にスーベニアを作ってみよう」というひと声からスタートしました。そして同年9月頃から本格始動。まずはプランナーの片岸さんに、この業務が託されました。
「今回のミッションは銀座のお土産として気軽にお求めいただけるグッズの開発でした、そこで、日常で利用できる雑貨がよいと考えて、松屋銀座の中でもその道を究めている、婦人雑貨のバイヤー・伊勢田さんに協力をお願いしました」(片岸さん)
片岸さんと伊勢田さんが中心となり、5月のお披露目に向けて着々と進められていったスーベニア企画。大きなポイントとなったのが、今から100年以上前、松屋の前身である「松屋呉服店」の時代に誕生し、松屋銀座のかつての看板や包装紙を飾っていた「松鶴マーク」をデザインに取り入れることでした。

デザインは、さまざまな分野のアートディレクションを務める、デザイナー小杉幸一さんに依頼。松鶴マークに加え、松屋呉服店のロゴ、現在松屋で使用しているMGマークを組み合わせた新たなデザインが創出され、トートバッグ、Tシャツ、マグカップの3アイテムが誕生しました。
松鶴マークが人気を集めた第一弾から第二弾へ。お客様の声を反映した新作も
松屋銀座初のスーベニアは、2025年5月1日の開店記念日に合わせて開催された「MATSUYA GINZA Souvenir Store」でお披露目されました。会場には小杉さんデザインのアイテムのほか、菊文様をモチーフにしたエコバッグなども登場。普段は売場に出ない片岸さんと伊勢田さんも店頭に立ち、お客様の反応を肌で感じました。
「初日からたくさんのお客様にお越しいただきました。想像以上だったのが、松鶴マークの反響の大きさ。懐かしんで購入してくださるお客様が多く、会期半ばで完売する商品もありました」(片岸さん)
そうした反響を受け、プロジェクトの継続が決定。櫛引さんが新たにメンバーに加わり、チームは3人体制に。秋の新作発表に向けて新たな一歩を踏み出します。
「私はこの春に中途入社したばかり。5月のお披露目の際は、松屋銀座の100年の歴史を感じながら、片岸さんと伊勢田さんの活躍を見ていました。小杉さんは以前から注目していたデザイナーさんだったこともあり、松鶴マークのトートバッグを真っ先に購入。すでに私の愛用品になっています。ですから、この業務に携われることが、とても嬉しかったですね」(櫛引さん)

「前回の松鶴マーク、松屋呉服店のロゴが大変好評でしたし、継続して取り入れたかったので、新作も小杉さんにデザインをお願いしました。新作のデザインは3パターン、計7アイテム。
胸元に松鶴マーク、背中に松屋呉服店のロゴをプリントしたTシャツ、松屋銀座の積み重ねてきた歴史を、積み木に見立てた松鶴マークとMGマークで表現した『積み木』のエコバッグ、ハンカチ、マグカップ。『MATSUYA GINZA』を使用した『ロゴ』のタイポグラフィデザインでエコバッグを作りました」(伊勢田さん)


これら新作には、第一弾の売場でお客様から寄せられた声を反映。トートバッグは、大サイズのみでしたが『小さなサイズがほしい』という声が多く、MとSサイズを展開。エコバッグは『生地が硬い』『もっと間口が広いと便利』などの声を基に改良を重ねました。
「松屋銀座のスーベニアは普段使いできるアイテム。そうした意見を参考にさせていただいたことで、より実用的で使いやすい商品になったと感じています」(伊勢田さん)


商品化には厳しい試験も! 理想を形にするために尽力した制作裏話
そうして開発された新デザインのス―べニアは、2025年10月29日(水)から始まる「MATSUYA GINZA Souvenir Store」で販売します。
開催に向けて、商品の製造などは順調に進んでいますが、商品化にあたり、理想をかなえることの難しさに直面したこともあったと言います。その一例が『ロゴ』のエコバッグです。

「カラーバリエーションを充実させたくて、4色展開にしました。希望の色と生地でサンプルを作っても、思っていた色味が出なかったり、色落ちして商品化できなかったり。お客様に安心して商品をお届けすることの難しさを実感しました」(櫛引さん)
商品化には、松屋基準の安全性と品質をテストする商品試験の合格が必須。バッグは耐荷重や強度、食器は電子レンジを利用できるか、衣類は濡れた状態と乾いた状態の摩擦テストなどを実施します。
「第一弾のときに、店頭に立ってとても嬉しかったのは、こうして作り上げた商品を手にした方たちが、松屋の思い出をたくさん話してくださったことでした。厳しい試験の繰り返しですが、松屋銀座としてお客様の期待を裏切らない商品をご提供できるのは、こうしたテストがあってこそだと思います」(片岸さん)
ちなみに、前回お客様のリクエストが多かった黒のTシャツ。色落ちの試験で不合格だったため、商品化できませんでしたが、今回選んだ少し厚手のTシャツは試験をクリア。黒Tシャツが新作にラインナップされているので注目を!

最後に、3人にそれぞれのお気に入りの商品を紹介してもらいました

「『積み木』は第一弾で小杉さんにご提案いただいたデザイン。私も伊勢田もとても気に入っていたので、採用して3アイテムを作りました。お気に入りはマグカップ。前回はモノトーン調でしたので、今回はネイビー、グレーに、秋を意識した深めのオレンジ色の3色展開に。お好みの色を選んでいただくのはもちろん、ペアで組み合わせも楽しんでいただけたら」(片岸さん)



「エコバッグはいろいろなエコバッグのいいところを寄せ集め、持ち手の長さ、畳んだときの収まり具合などディテールにこだわって作りました。2デザインありますが、思い入れが強いのは『積み木』。余白を用いて未来に向けて歴史が続いていくことが表現されていて、奥深さを感じます。同じ積み木でも、マグカップとハンカチはマークの重なり方や余白のスペースが違うので、注目してみてください」(伊勢田さん)
「『ロゴ』のエコバッグですね。お客様それぞれにお気に入りのカラーがあると思うので、いろいろな色があると目に留まりやすくなり、受け入れてくださる層が広がっていくのではないかと。今回好評が得られて継続できるなら、カラーバリエーションをどんどん増やしていきたいです」(櫛引さん)

2025 Autumn NEW Collection ~designed by 小杉幸一
2025年10月29日(水)から始まる「MATSUYA GINZA Souvenir Store」でお披露目される新作スーベニアは、前回と同じく小杉幸一さんがデザインを担当。3デザイン、7種の新作のほか、新色トートバッグも登場します。小杉さんやプロジェクトチームのオススメコメントとともに、新しいスーベニアをご紹介! >>小杉さんのインタビュー記事はこちら

NEW Design1 <積み木>
「松屋がこれまで積み重ねてきた100年の歴史を積み木に見立ててデザインしました」と小杉さん。100年以上受け継がれる松鶴マークと、現在の松屋のプロモーショナルマークであるMGマークを組み合わせたデザインは、昔と今、未来をつなぐ架け橋のようです。


「軽くなめらかな感触のポリエステル生地を使用しています。カラーはネイビー、オレンジ、ベージュの3色。物の出し入れがスムーズな間口の広さと肩にかけやすい持ち手の長さにこだわりました」(伊勢田さん)

「口径8.2×高さ9.6cmのたっぷりサイズです。選ぶ楽しみがあるようネイビー、オレンジ、グレーの3色をご用意しました。その日の気分に合わせて色を選んで使うもの楽しそうです」(片岸さん)

「W50×H50cmの大判サイズのハンカチはコットン100%。折り畳んだときに見えるデザインのバランスにこだわりました。松屋フォントでさりげなく入れた「GINZA」がポイントです」(櫛引さん)
NEW Design2 <ロゴ>
ポジティブなカラーリングのエコバッグは、ショッパーなどで現在使われている松屋フォントの「MATSUYA GINZA」のタイポグラフィデザイン。「留まることなく、変化を肯定し続け、いつの時代も躍動する松屋銀座をイメージしました」と小杉さん。


「物が出し入れしやすい間口のゆったり感と、肩にかけやすい長さ55㎝の持ち手が特徴です。柔らかなポリエステル生地を採用。折り畳み収納しやすいようポケットのサイズを調整しました」(片岸さん)
NEW Design3 <松屋呉服店>
「『松屋呉服店』だったころの佇まいを伝えられるアイテムがあったらいいなと思い、新聞広告の文字を取り込んでデザインしました」と小杉さん。前回も人気を集めた、「松屋呉服店」のロゴを使用した新作アイテムと新色トートバッグが登場です。


「カーキとベージュの2色展開のミニバッグは、松屋で働くクルーの声から商品化しました。仕事の合間のランチや、ちょっとしたお出かけの際に必要なものだけ持ち歩くのに便利です」(伊勢田さん)

「軽くて丈夫なポリエステル素材のトートです。お客様のお声から、日常使いしやすい新サイズを作りました。カーキとグレーのベーシックなカラーでどんなスタイルにも合わせやすいです」(櫛引さん)

「5月に発売した「松屋呉服店」ロゴのトートバックに秋の新色・カーキが仲間入りしました。体に馴染む柔らかい生地感でありながら大容量。レジャーや出張シーンでも活躍してくれます」(片岸さん)

「人気の『松屋呉服店』ロゴシリーズにTシャツが登場します。ブラック、ホワイト、ブルーグリーンの3色。お客様の声から商品化され、Sサイズが増えてお選びいただきやすくなりました」(伊勢田さん)
第二弾「MATSUYA GINZA Souvenir Store」が始まります

2025年5月、松屋銀座初めてのスーベニアをお披露目した「MATSUYA GINZA Souvenir Store」の第二弾を2025年10月29日(水) – 11月4日(火)に開催。松屋銀座の100年の歴史を積み木に見立てたデザインと、「MATSUYA GINZA」のタイポグラフィデザインの新柄2種のアイテムのほか、松屋銀座開店当時のロゴを復刻した人気の「松屋呉服店」柄の新作Tシャツが登場します。公式ECサイト「matsuyaginza.com」でも新作を同日販売スタート!
MATSUYA GINZA Souvenir Store
会期:2025年10月29日(水) – 11月4日(火)
会場:3階婦人雑貨売場
PHOTO/NORIKO YONEYAMA(INTERVIEW)、KAZUHITO MIURA(STILL) TEXT/MIE NAKAMURA