いつ訪れてもわくわくする売り場、そしてさまざまな企画や催事が展開されている松屋銀座。100周年を迎え、その勢いは増すばかりです。この連載企画では、そんな松屋銀座を支える人々や裏側にフォーカス。第1回目は、100周年を盛り上げるために結成された「100周年記念企画検討部」をご紹介します。
2月某日、100周年記念企画検討部の集まりにお邪魔しました

華やかな売り場の扉の向こう、一歩奥に入ると広がる裏側の世界。商品の搬入部隊や各ブランドの販売員、本部の従業員などが迷路のような動線を忙しく行き来する様は、まさに“うらがわ”そのもの。
この日お邪魔したのは、「100周年記念企画検討部」の打ち合わせ。迷いながら階段を上り、やっとこさたどり着いた1室では、部員の皆さんがぎゅっと集まり活発に意見を交わしていました。「企画検討部」と聞いていたので部署の名前かと思いきや、なんと松屋銀座の各部署から有志で集まったメンバーによる“部活動”だというから驚きです。
部員は、売り場の1年目の若手から店長まで総勢20名ほど。2024年5月に100周年に向けて募集・結成され、すでに何度も議論を重ねており、現在はお客様向け・従業員向けなど実施したい企画ごとに分かれて各企画を推進しているとのこと。
今日集まったメンバーの皆さんが、この部に入った理由とは

「皆さん日々ご自身の業務があるなか、仕事の合間をぬって100周年を盛り上げるべく活動しています。私は部長をさせて頂いているのですが、もともと販促企画にいたのでやってみようかなと思って。皆さんそれぞれ想いがあって入部されています」と、部長を務める清水さん。せっかくなので、入部理由を個々に聞いてみました。
「松屋銀座には現在24の部活があり(※現在は一部終了)、各部に部長と世話人がおりまして、私は世話人を務めています。外商部歴がとても長いのですが、外商部ではあまり若手社員との接点がなくて。せっかくの節目なので、盛り上げながら交流できたらと思いました」(粟さん)
「100年に一度の特別な機会に、何か松屋や銀座の街のために動きたいなと思ったんです。また、私が実は昨年中途入社したばかりで。それで、社内の面識のない方とも“つながる”というテーマに沿って、つながれる機会を持ちたいと考えました」(塩田さん)
・・・なんて真面目な方々なんだ…素晴らしすぎる…。そう思った矢先、自分と同じ感想が部屋の奥から聞こえてきました。
「み、皆さん素晴らしすぎて…!緊張します。私はそんな大したことも言えないのですが!!」。そう米田さんが大きめの声を発した途端、一気に笑いがおきて和む会議室。

「私、入社17年目なんですが、松屋が本当に大好きなんです! ずーっと売り場でお客さんと接してきたのですが、昨年末に顧客販促部に異動になりました。多分、この部活に入ったからじゃないかな(笑)? 松屋ってすごくたくさんいい商品があるのに、お客さんに届き切っていないなと長年売り場で思っていて。いつか素敵な商品たちを、もっとお客さんに届けるためのランキング企画を実施したかったんです。この部員募集があって、“ランキング企画ができる!”と思って。企画を持ち込み入部しました」
空気がゆるみ、賑やかになった会議室で、続々と声が続いていきます。
「私は松屋銀座内にある24個の部活動事務局を担っており、潤滑油のような役割になれたらと思っています」(紀野さん)
「私は広報部で銀座の街の方々と交流があるので、この部活で少しでもそういう面から役に立ちたいなと考えています。あと100年って本当に貴重で経験できないじゃないですか。この100年を、若い方たちと一緒に作っていけたらと」(矢吹さん)
「もともと入社したのも、松屋銀座でいろんな企画を行いたかったから。100周年では、松屋だけだと普段できないチャレンジにもっと携われるのではないかと思い参加しました」(中家さん)
「入社して24年経つのに、ずっと行きたい販売促進課に異動できないんです(笑)!それで、こうした部活を通じて松屋銀座を盛り上げたいと思って。200年史に残るような企画を実施したいですね」(佐藤さん)
議題は、4月29日(祝・火)スタートの「松屋銀座 開店100周年 アニバーサリーウィーク」プレス向け事前内覧会で何を行うか


5月1日(木)の松屋銀座開店記念日に合わせて、4月29日(祝・火)から始まる「松屋銀座 開店100周年 アニバーサリーウィーク」。このアニバーサリーウィークのプレス向け事前内覧会にて、100周年記念企画検討部の活動をどう発信していくかがこの日の議題。
実際の打ち合わせがはじまると、会話が途切れないまま会議室内がヒートアップ。それぞれが自部署目線と知見を踏まえて意見を出し合い、気持ちいいほどにどんどん方向性がまとまっていきます。
「プレスリリースとして外部に向けて発信する内容は、わかりやすい企画のほうがいいですよね」
「銀座木村家さんのパンを使って、銀座のレストランとコラボコッペパンを販売する企画は注目されそう」
「銀座周辺の小学生に、未来の銀座をテーマに絵を描いてもらう未来絵画展。実施するならば、どう告知しますか?」
「絵がありますよ。これ、未来絵画展のイメージとして今日持ってきました」
「すごい!いいですね」


パソコンを広げ、各々がメモを取りながらタスクを整理していきます。そのスピード感たるや…!「つなぐ・つながる・つなげる」という100周年テーマのもと、社内外共に人をつなげていく企画がたくさん走る今年の松屋銀座。企画ごとに、どんなメディアで発信するのがよいか、どう社内の人を巻き込めるか、会話が進んでいきます。
「“みんなの!松屋銀座 大賞”は期間限定投票所が銀座店4階にできますよね(4月16日(水)-28日(月)/松屋の各種カードお持ちの方限定)。5月だともう募集開始スタートしちゃってるかな…米田さんどうですか?」
「一般向けWEB投票なら5月1日スタートにできますよ。せっかくなので5月のタイミングでいろんな物事が揃っているといいですよね」
「下期のトラベル企画も、募集が始まる時期ですよね」
「そうですね、5月1日募集開始で揃えられるよう調整してみましょう」
「そしたら、アニバーサリーウィークのプレス向け内覧会でお披露目する活動内容は、“コラボコッペパン販売+いろいろな企画の募集スタート”でいきましょうか」

世話人の粟さんが、「この期間、人手が足りないなどはないですか?」と問いかけると、「今は大丈夫だけど、未来の絵画展の絵が集まった後の運用が大変そう…!」「社内向けチームが5月に落ち着くので、その後手伝ってもらえたら」「米田さんの松屋銀座 大賞の集計も大変そうだよね?」と、皆さんが声をかけ合います。そのテンポが素晴らしく、この気持ちいいポジティブな連携が100周年の素敵な企画を生み出しているのだなと納得。
結論がまとまったところで、改めてみなさんのおすすめ企画を伺いました


「“みんなの!松屋銀座 大賞”企画ですね。実際にお客さんが何を好きなのかはもちろん、社内で実は人気の商品なども広く知っていただけるいい機会だなと思っています。自分達もすごく楽しみ」(中家さん&佐藤さん)
「どれかひとつ選ぶ…というのが難しいのですが(笑)、こんな贅沢なコッペパンは二度とできないんじゃないかと思うので、4月29日(祝・火)-5月6日(振・火)に展開するコッペパン販売でしょうか。錚々たる皆さんとコラボ交渉中なので実現が楽しみです」(矢吹さん)
「私は社内向けですが、こども会社見学が楽しみですね。こういう機会じゃないと出てこないアイデアだと思います」(紀野さん)
「どうしても選べないんですが…!コッペパンが本当においしそうで。あとは、働いている親の背中を見せる機会って現代であまりないから、こども会社見学も。この企画がうまくいったら、地域の方に松屋のことをもっと伝えたり、未来へつなげていけるんじゃないかなと思っています」(米田さん)
「自分達が携わっていることもありますが、トラベル企画が楽しみですね。何時に出発してどこに泊まるかまで、トラベル専管部署と相談しながらトラベルチーム皆で企画して交渉してるんです。間人(たいざ)ガニで知られる京都の京丹後に行くツアーは知る人ぞ知るとてもラグジュアリーで予約困難な宿に泊まれて本当におすすめです」(塩田さん&粟さん)
2月某日、15時から始まった100周年記念企画検討部の打ち合わせは、部長の清水さんが16時ぴったりに締めてくれました。
「部長なので、すべての企画見ています。社外向けはもちろん、社内向けの企画もこども会社見学や松屋クイズ王など本当に粒ぞろい。冒頭にも言ったんですが、皆さん本当に仕事の合間をぬって、ひとつ一つの企画を丁寧に考えています。大変だけど、全部の企画がどんな形で完成していくのか、私も楽しみです」


100周年記念企画検討部もおすすめの企画詳細は、この特設サイトでも順次紹介の予定。どうぞお楽しみに。
※掲載されている内容は事情により中止・変更する場合がございます
うらがわ 編集後記
打ち合わせの会議室を出た後、しばらくその熱量に圧倒され足元がふわふわしていました。17年同じ現場で働き続けていても自社を「大好き」と言えること、有志で集まった「100周年を盛り上げたい」という前向きで純粋でパワフルな気持ち。銀座と松屋に誇りをもっている皆さんがとても眩しく、襟を正される思いでした。100周年特設サイトの編集部も、1年間頑張ります。
PHOTO/KAZUHITO MIURA TEXT/MOE KUMADA