松屋オンラインショップでは、「防災先進県」を掲げる高知の防災食品を「高知県で生まれた美味しいグルメ」内で2025年6月25日(水)より販売スタート。非常時だけでなく、日常にも取り入れたい高知県の防災食品は、近年話題の、日常に使っているものを災害時にも使う“フェーズフリー”にもぴったりです。今回は松屋銀座の食品コーディネイター・藤本紀久子さんに、高知県の防災グルメの魅力や、防災グルメを活用したフェーズフリーなレシピを教えてもらいました。

フェーズフリー・レシピ監修
松屋 MD戦略室 食品コーディネイター
藤本紀久子さん
PROFILE
フランス料理研究家・上野万梨子に師事し、1983年にフードコーディネーターとして独立。現在は2002年に設立した、食品の商品開発や店舗デザインコンサルティングを行う「スタジオカルティベイト」の代表を務めながら、松屋銀座の食品売り場、レストランフロアのディレクションを行う
料理の食材にもなる、フェーズフリーにぴったりな高知の防災食品。普段も、いざというときにも大活躍!
「防災先進県」の高知県で生まれた、防災食品に注目
豊かな森林と青い海、清流に恵まれた四国地方の高知県。豊かな自然は大きな魅力ですが、長い歴史の中で多くの大規模自然災害を経験してきました。今後30年以内に発生するといわれている南海トラフ地震では甚大な被害が予測されています。高知県ではその被害を最小限にとどめられるよう、「防災先進県」を掲げ、行政、企業、住民が一丸となって防災・減災対策に取り組んでいます。
そうした背景から県内のさまざまな企業が防災グッズを開発。防災食品も生まれています。松屋銀座で食品コーディネイターを務める藤本紀久子さんに、その印象を聞いてみました。

「乾燥野菜や果物、アレルギーに対応したビスケットに缶詰、豆腐のジャーキーと、お子さんからお年寄りまで、より多くの人々が食べられるようにという優しさを感じます。それに地元の食材を取り入れた商品が多いので安心感が高いですよね。海産物、畜産物、農産物など食材が充実した高知ならではだと思います。
その上、どれもおいしい。素材の味がしっかり感じられたり、濃すぎず、薄すぎずないバランスのよい味わいだったり。過去の経験から災害の恐ろしさ、被災時の大変さ、辛さを知っているからこそかもしれません。被災したときも、健やかでいたい、普段と変わらないおいしいものを食べたいという思いが伝わってきます」

「もしも」と「いつも」に活躍してくれる、フェーズフリーな暮らしを
災害が多い日本で注目される「フェーズフリー」とは?
フェーズフリーとは、平常時と災害時のフェーズ(時期、状態)を取り払い、日常的に利用している商品やサービスを、そのまま災害時にも利用できるようにするというものです。
「例えば、災害で停電したり、ガスが止まったりという状況が長引いたときや、なかなか買い物に行けないというとき。毎日、同じような保存食や防災食品を同じように食べていると、飽きてしまい、食べることが楽しくなくなるかもしれません。

でも、そういった食品を普段から使い慣れていれば、いろいろなアレンジができるようになり、いざというときの調理のバリエーションが広がると思うんです。特に缶詰のように味が付いた食品や、味噌汁やスープの具にも便利な乾燥野菜などのドライフードは手軽に調理ができるので、疲れたときや時短で食事の支度をしたいときにもいいですよね」
そう話す藤本さんが、高知県の防災グルメを使った「もしも」と「いつも」のフェーズフリー料理を提案。次からは、お湯以外には加熱調理不要の料理を盛り合わせた「もしも」のワンプレートと、オムレツやポテトサラダなどいつもの料理にプラスしてリッチな味わいを手軽に楽しめる「いつも」のワンプレートと、そのレシピをご紹介します。
「もしも」のワンプレート

「いつも」のワンプレート

RECIPE■「もしも」と「いつも」のフェーズフリー・レシピ_ドライフーズ編
今回は、乾燥野菜・果物、ミレービスケット、豆腐ジャーキーの高知防災グルメのドライフードを使った「もしも」と「いつも」のレシピをご紹介。「もしも」は手間いらず、「いつも」はちょっと手を加えて。おやつにもなる防災グルメもあって、食べる楽しみが広がります。
DRY FOODS 1~乾燥野菜

シンプルだからこそ、和洋中といろいろな料理に合わせやすい乾燥野菜。そのまま味わうこともできますが、甘酢などで戻すことで、野菜のうまみが増しておいしさがUP。災害時に不足しがちな栄養の補給にも便利です。
次に紹介するレシピでは、乾燥野菜を使った甘酢ピクルス(写真)が大活躍。甘酢に漬けるだけと簡単で、アレンジ素材として便利なため、常備しておくと◎です。
【もしも】甘酢ピクルスとチーズのサンドイッチ

【いつも】甘酢ピクルスと千切り野菜の肉巻きソテー

乾燥野菜の甘酢ピクルスの甘酸っぱさがチーズのコクと相性ぴったり。さっぱりしているので、災害時に食欲がわかないときの食事にも。
■材料(2人分)
ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜 1袋(6g)
きゅうり 1/2本
サンドイッチ用食パン 4枚
甘酢(甘酢生姜酢やらっきょう酢など) 120cc程度
マヨネーズ 大さじ1~1.5
チェダーチーズ 適宜
■作り方
(1)ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜に甘酢を加えて半日から1日おき、乾燥野菜の甘酢ピクルスを作る
(2)サンドイッチ用食パンにマヨネーズを塗り、スライスしたきゅうりを敷く
(3)(2)の上に(1)の甘酢ピクルス、チェダーチーズのスライス、食パンの順でのせたら、食パンを少し押してなじませ、食べやすい大きさにカットする
(4)お好みでハーブ類(イタリアンパセリ)、野菜(ミニトマト)などを添える
※甘酢は火がつかえない「もしも」のときは、市販のものや作り置きを使うといい
野菜たっぷりの薄切り肉のお惣菜は乾燥野菜の甘酢ピクルスの甘みと酸味、食感がアクセント。豚バラ肉が香ばしく満足感のある食べ応え。
■材料(2人分)
ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜 1袋(6g)
豚バラ肉 5~6枚
キャベツの千切り 1カップ程度
さやいんげん 3本
甘酢 120cc程度(甘酢の作り方:火にかけた昆布だし180ccに砂糖大さじ4、塩少々を溶かし、冷めたら米酢120ccを加える)
サラダオイル 適量
塩 少々
■作り方
(1)ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜に甘酢を加えて1日以上おき、乾燥野菜の甘酢ピクルスを作る
(2)ラップに豚バラ肉を並べ、肉の上にキャベツの千切りを広げる
(3)(2)の上に(1)の甘酢ピクルスをのせ、茹でたさやいんげんを芯にしてきっちり巻く 巻き終わりを下にして塩少々を全体にふる
(4)フライパンを熱してサラダオイルを入れ、中火で4~5分、時々転がしながらじっくり焼く
(5)香ばしく焼けたら火を止め、蓋をして1~2分おき、予熱で火を通したあと、2cm程度にカットして盛り付ける
(6)お好みで余ったピクルスや野菜(クレソン)を添える
料理に使った「高知県の防災グルメ」はこちら
ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜・果物ミックスボックス/SLICK

高知県産の新鮮野菜や果物を低温でじっくり乾燥。洗う、切るの手間いらずで、そのまますぐに食べられます。キャベツ、人参、玉ねぎ、えのき、小松菜の5種入り。アレルギー特定原材料(7品目)、準特定原材料(21品目)不使用です。
【+アイデア】味噌汁やスープに加えると短時間で戻り、汁に野菜の甘みが加わってうまみが増します。刻んだ乾燥野菜の甘酢ピクルス、塩揉み千切りキャベツ、マヨネーズで作るコールスローは常備菜にもおすすめ
DRYFOODS 2~ビスケットなどお菓子
非常食として開発された長期保存できるお菓子は、手軽にエネルギー補給できるものが多いことが特徴。なかでもシンプルな味わいのビスケットはアレンジがしやすいので、ひと手間加えれば、おやつ感が高まります。
【もしも】ミレービスケットのアボカドディップ添え

【いつも】ミレービスケットと果物のタルト

小ぶりで歯応えのいい保存用ミレービスケットに爽やかなアボカドディップを添えて味わえば、おやつ感が増して、災害時でも気持ちが和らぎそうです。
■材料(2人分)
保存用ミレービスケット 12~15枚
アボカド 1個
レモン 1/4個
ケッパーの酢漬け 小さじ1
■作り方
(1)アボカドの種と皮を取り、3/4個分をフォークなどで潰しておく
(2)(1)にレモンの搾り汁と刻んだケッパーの酢漬けを加える
(3)残りのアボカドをスライスして、(2)と一緒に皿に盛り付け、保存用ミレービスケットを添える
(4)お好みでハーブ類(イタリアンパセリ)やレモン(分量外)を添える
※アボカドがない場合はリンゴで代用が可能。すりおろしたリンゴにレモンの搾り汁とすりおろしたレモン皮、蜂蜜を加え、お好みでシナモンパウダーをトッピング
保存用ミレービスケットとヨーグルト、ALL SLOW FOOD 高知乾燥果物で作る、甘さ控えめのヘルシーデザート。食材を重ねて冷蔵庫で寝かせるだけでとても簡単!
■材料(4~6人分)
保存用ミレービスケット 36枚
ALL SLOW FOOD 高知乾燥果物 1袋(20g)
プレーンヨーグルト(無糖) 1パック(400g)
ハチミツ 適宜
■作り方
(1)水羊羹の型やラップを敷いたプラスチック容器(などに、保存用ミレービスケット12枚を敷き詰めるように並べ、その上に分量の1/3のヨーグルトを広げる
(2)(1)をさらに2回繰り返して、3層にする
(3)(2)の上にALL SLOW FOOD 高知乾燥果物を並べ、ラップをかけて冷蔵庫で1日馴染ませる
(4)ミレービスケットや乾燥果物にヨーグルトの水分が染み込んで全体にしっとりしたらカットする
(5)ハチミツをかけて仕上げる
※型のサイズ目安:縦15、横12cm、深さ5cm程度
料理に使った「高知県の防災グルメ」はこちら
保存用ミレービスケット/アミノエース

高知県のご当地お菓子・ミレービスケットが保存食に。牛乳、卵、バター不使用のノンフライビスケットです。-30℃~80℃の温度変化に対応できるため、自家用車などに保存・常備しておくのも最適。
【+アイデア】中温にあたためた有塩バターでゆっくり揚げ焼きして油を切り、アイスクリームに添えたり、あんこをつけたりして味わうと、リッチなおやつに
ALL SLOW FOOD 高知乾燥野菜・果物ミックスボックス/SLICK

乾燥果物は、高知県産のみかん、小夏、梨、柿、いちごの5種入り。みかんと小夏は皮つきのまま乾燥するなど、果物のおいしさをぎゅっと凝縮。そのまま食べても果物の風味や甘みが感じられます。
【+アイデア】ジンや焼酎などスピリッツに漬けておくだけで、果物の甘みが染み渡ったフレーバースピリッツが手軽に完成。ソーダやジュースで割ると爽やかなカクテルに
DRYFOODS 3~ジャーキー
肉を干した保存食のことを指すジャーキー。外国では日本のスルメはジャーキーに分類されているとか。近年は豆腐や大豆ミートなどを原料にした植物性たんぱく質がとれるジャーキーも登場。そのまま味わえますが、調理にも向いています。
【もしも】梅醤豆腐

【いつも】豆腐と油揚げの炊き込みごはん

お湯を注ぐだけ! 燻製した非常食用豆腐ジャーキーの豊かなうまみと、梅干しの酸味が好相性な簡単お吸いもの。
■材料(2~3人分)
非常食用豆腐ジャーキー 1袋(40g)
梅干し 2~3個
お湯 適宜
■作り方
(1)非常食用豆腐ジャーキーを2mm程度にカットして器に入れる
(2)梅干しを入れ、80℃のお湯を注ぎ、1~2分おく
(3)豆腐ジャーキーから味が染み出るように混ぜ、お好みで梅干しを潰しながらいただく
非常食用豆腐ジャーキーの味付けで作る手軽な炊き込みごはん、油揚げでコクをプラス。
■材料(2人分)
非常食用豆腐ジャーキー 1袋(40g)
白米 1.5合
油揚げ 1/2枚
醤油糀 少々
シソの葉 少々
■作り方
(1)非常食用豆腐ジャーキーを2mm程度に、油揚げは縦に半分にしてから3mm程度にカットしておく
(2)炊飯器に、研いだ米、豆腐ジャーキー、油揚げを入れる。炊飯器の目盛りに合わせて1.5合分の水を入れて炊く
(3)炊きあがったら全体的によく混ぜ合わせ、茶碗に盛り付ける
(4)お好みで醤油糀とシソの葉をのせる
料理に使った「高知県の防災グルメ」はこちら
非常用豆腐ジャーキー/タナカショク

1972年創業の豆腐店が開発。国産大豆と室戸海洋深層水を使用した豆腐を使用し、じっくりといぶして燻製に仕上げています。たんぱく質が豊富で、災害時の栄養補給にも。動物性原材料及び合成保存料・化学調味料不使用。
【+アイデア】そのままで食べても十分おいしい味付け。薄切りの大根やかぶに挟んで食べると手軽なおつまみにもなります
2025年6月25日(水)から販売開始! 「高知県で生まれた美味しいグルメ」
PHOTO/MICHI MURAKAMI TEXT/MIE NAKAMURA