開店100周年の節目に合わせて、松屋銀座で働くクルーのこどもたちを対象にした「こども会社見学会」を開催。参加したのは、3歳から10歳まで総勢31名のこどもたち。お父さん、お母さんが働いている松屋銀座ってどんなところ? どんな人がいて、どんなふうにお仕事しているの? 名刺交換の練習にはじまり、館内放送やお客様のお出迎え、売場の見学など、“職場体験”を通して、親子の想いをつないだイベントの様子に密着しました。
9:30~ クルーによる名刺交換のお作法レッスン
この日、松屋銀座の会議室に集まったのは、見学会への参加を希望した31名のこどもたち。1人ひとりに顔写真入りの名刺が用意されており、初めて手にする“自分の名刺”に「大人みたい!」と大喜びしていました。
まずはクルーが「名刺交換のやり方」をレクチャー。こどもたちはその所作をまねして、恥ずかしそうにしながらも一生懸命に練習していました。




10:00~ 「誕生70周年記念 ミッフィー展」見学
通常はクルーしか通ることができない従業員用の通路やエレベーターを使用しながら、8階のイベントスクエアへ移動。
小学3年生の息子さんと一緒に参加していた展覧会担当者が、イベントスクエアではどんなことが行われていて、どんな仕事をしているかを説明した後、みんなで「誕生70周年記念 ミッフィー展」(※5月12日で終了)を鑑賞。今回は特別に開店前の30分間、親子でミッフィーの世界を満喫しました。

10:40~ 館内放送&お客様のお出迎え
代表者4名は放送室のあるフロアに移動して、開店時間前の館内放送に挑戦。1人ずつ放送ブースに入り、「○○(名前)です」と自己紹介の後、クルーに向けてそれぞれが考えてきたメッセージを伝えました。
「みなさん今日もがんばりましょう!」
「今日は松屋のこども社員として、お客様の力になれるように一生懸命がんばります。よろしくお願いします」
「私は6歳からチアをがんばっています。みなさんはお仕事で何をがんばっていますか? この後、地下2階の冷凍食品売場と、7階のザ・ホームに行きます。みなさんのお仕事を見るのを楽しみにしています」
「みなさんおはようございます。今日は私の家族が好きな売場を紹介します。お姉ちゃんはドライフルーツがたくさん売っているプログレが好きです。お父さんは、靴の裏が赤い2階のルブタンが好きです。お母さんはリタズダイアリーのこだわりのあるお洋服が大好きです。最後に私は6階のこどもフロアが好きです。なぜならシルバニアファミリーがあるからです。今日はお店の中を見学させていただけるのを楽しみにしています。クルーのみなさん、お仕事がんばってください。どうぞよろしくお願いいたします」




館内放送を終えると、正面口、南口、京橋口の三か所に分かれて、開店時刻11時の“お客様のお出迎え”を体験。
インフォメーション窓口を担当しているサービス課のクルーが「みなさんのお父さんとお母さんも毎日お店に立ち、お客様をお迎えしています。みなさんもがんばってやってみましょう!」と、お客様をお迎えする心構えから、立っているときの姿勢と手の位置、丁寧なお辞儀の作法まで、こどもたちにしっかりと伝授しました。
開店時刻とともにお客様が来店すると、こどもたちは緊張しつつも堂々と「おはようございます。いらっしゃいませ」とご挨拶。思いがけずかわいいお出迎えに、お客様は顔がほころんでいました。


11:30~ 父母が働くフロアを見学
お客様のお出迎え後は、こどもと保護者が4つのグループに分かれて松屋銀座館内を見学。開店時間を過ぎて、フロアにはお客様がいらっしゃるため、クルー用出入口から館内に足を踏み入れるときは一礼する、お客様の邪魔にならないように端を歩く、などの振る舞いがこどもたちにレクチャーされました。
チームによっては、売場だけでなく、バックオフィスも見学。父母が働く職場を見てまわり、業務内容を聞くことで、“お父さん、お母さんがやっているお仕事”への理解がいっそう深まったようでした。




全グループの見学ルートに入っていたのがB2階の冷凍食品売場の見学。松屋銀座が銀座の名店とともに開発した冷凍食品のハンバーグや、北海道にある手作りジェラート店のソフトクリームの試食をさせてもらったこどもたちは「おいしい!」と、目を輝かせていました。




12:30~ 店長のご挨拶と記念品のプレゼント
見学を終えたグループが続々と戻り、会議室はにぎやかな雰囲気に。最初の緊張ムードはすっかりなくなり、おしゃべりや名刺交換をして、笑顔いっぱいのこどもたち。こどもたちに贈られた記念品は、地域共創プロジェクトとして制作された京都・丹後ちりめんの風呂敷、ミッフィー展のグッズであるタオルハンカチとシール、焼き菓子など。


最後は、松屋銀座の石脇本店長からこどもたちにご挨拶。「松屋にはお買い物をしに来るお客様が毎日たくさんいらっしゃいます。パパとママはそのお客様のために毎日一生懸命お仕事をしています。だから、パパとママがお仕事から帰ってきたらニッコリ笑って『おかえりなさい!』と言ってあげてください」という言葉に、こどもたちは「はーい!」と元気よく返事をしていました。


「お父さん、お母さんが働く松屋銀座を見学した感想は?」こどもたちの声
「松屋のいろんなところが見られて楽しかったです。緊張したけど、館内放送が楽しかったです」
「いろんな人が働いているところを見られて楽しかったです。入口で挨拶するのも楽しかった。また参加したいです」
「ママが働いているところとか、松屋のことをいろいろ知ることができて楽しかったです。いちばん緊張したのは、ママが働いていた7階のところかな」
「いちばん楽しかったのは、アイスを食べたことです。あと、ミッフィー展もかわいかったし、名刺交換も楽しかった」
「お父さんとお母さんが働いているところを見られて、松屋はすごく大人気なんだなぁってことがわかりました。いちばん印象に残っているのは、館内放送です。何を話すか、お母さんと一緒に考えました。お父さんとお母さんが普段から家で仕事の話をしているんですけど、何をやっているのかはわかっていなかったので、今日それがわかってよかったです」
「ママに『いつもここで働いているんだよ』って教えてもらっていたけど、こういうところなんだってはっきりわかっておもしろかった」
「地下2階でハンバーグを食べたんですけど、それがめちゃめちゃおいしかったので、また松屋に来たいと思いました! お母さんが働いているところは行かなかったけど、ほかのお父さんとお母さんがお仕事をがんばっている姿を見て、すごいなって思いました」

最初は慣れない場所に緊張していたこどもたち。しかし、時間が経つに連れてリラックスした表情になっていきました。
恥ずかしがって名刺交換できなかった子も、館内をまわって、売場に立つクルーたちからやさしく声掛けされたことが自信につながり、自分から「名刺交換してください」と言えるように。体験を通して成長するこどもたちの姿はキラキラと輝いていました。
うらがわ 編集後記
こどもに付き添い見守るクルーたちは、普段の仕事の時とはまた違って、お父さん、お母さんの表情になっているのが印象的でした。今回のイベントのアテンド役であり、自身も2人の未就学児を持つ女性クルーにお話を聞いたところ、松屋では育児休業が最長3年間取得できたり、こどもが小学4年生を修了するまで育児勤務を選択できたり、働きやすい制度と環境が整っているとのこと。子育て世代をバックアップする松屋の姿勢を垣間見ることができました。
PHOTO/AYUMI OOSAKI TEXT/AKIKO ICHIKAWA