2025年5月1日(木)の開店記念日に合わせて開催される「松屋銀座 開店100周年 アニバーサリーウィーク」に、以前好評を博した「銀座コッペパンプロジェクト」が復活。2025年4月29日(祝・火)からのゴールデンウィーク期間中、「銀座をつなぐコッペパン」として7つのコラボコッペパンを販売します。銀座を代表する名店同士のコラボとあって、注目度は抜群。今回は企画を手がけた松屋銀座社員と銀座木村家さんで試食会を実施し、開発秘話や味わいの魅力を語ってくれました。
銀座の有名店が集結!今だけの限定コッペ

「パンの部分」に使われるのは、銀座木村家が明治7年(1874年)に独自の製法で開発した「酒種(さかだね)生地」のコッペパン。米、麹、水だけで仕込み、専門の種師が140年以上守り継いできた酒種には、甘く鼻に抜ける豊かな風味があります。今回のコラボではその風味に負けないよう、各店趣向を凝らした具材をサンドしています。
「この企画は、社内有志約20名で結成した“100周年記念企画検討部”の提案からスタートしました。松屋銀座の100年は、銀座という街とのつながりがあってこそ。その思いを込めて『つなぐ・つながる・つなげる』という100周年の記念テーマのもと、過去にご好評いただいたコッペパン企画を、さらにブラッシュアップして実現しました」(三好さん)

先だって行われたメディア関係者向けの内覧発表会でも、今回のコラボに向けた松屋銀座クルーの熱量はもちろん、松屋銀座の100周年を盛り上げるべく参加した各店の意気込みを感じることができました。
銀座という土地で育まれた味とチームワークが生んだスペシャルなコッペパンに、否が応でも期待が高まります。次章からは、試食会での感想を交えながら、それぞれの魅力を紹介します。
いざ実食!個性豊かな名店の味

会議室に持ち込まれた7つのコッペパンを前に、思わずどれから食べようか空を彷徨う3人の指先。前回、前々回ともに全種類購入されたお客様が多いというのも頷けます。

「銀座吉澤さんはお肉、タレ、パンが三位一体となった甘さに黄身ダレのコクが加わってあとを引くおいしさ。時間が経つとパンにタレが染み込んでこれまたおいしい。ハーブの香りもいいですね」(山下さん)
昨年に創業100周年を迎えた銀座吉澤、そして今年100周年を迎える三笠会館は松屋銀座と同じくaround100世代の老舗。アニバーサリーイヤーのコラボとあってか具材のボリュームと豪華さに気合いを感じます。
「三笠会館の唐揚げコッペはトリュフも乗ってお値段1,026円。コッペパンとしては高額かもしれませんが唐揚げ3個+α(しかもトリュフ)でこのお値段は正直かなりギリギリです」(山下さん)
2021年の初回から3度目のコラボとなる煉瓦亭と銀座ウエストは創業時から守り続ける定番の味をサンド。実際に店舗で提供されているものと同じ味をベースにしながら、パンとの相性を考慮し、パンの風味と相乗効果を生み出す工夫を凝らしています。
「ウエストさんのバタークリームは本当に軽くてなめらか。ピスタチオソースもおいしくて、甘い物好きな人なら2〜3個はイケるかもしれません」(三好さん)

「うちは他店さんのコッペの引き立て役ですから(笑)」と謙遜する銀座木村家のあんバターコッペもシンプルながら堂々たる存在感を放つ逸品。北海道産の小豆を使用した粒あんとホイップバターの背徳的な組み合わせ・・・おいしくないはずがありません。トースターやオーブンで軽く温めるとバターがジュワッと溶け出しさらに奥行きのある味わいに。気になる方はぜひ試していただきたい食べ方です。


コッペパンをきっかけに、お店へも足を運んでもらえたら

「王子サーモンさんのコッペはサーモンが抜群においしい。王子サーモン路面店でも販売されているものなんですが、木村家のコッペパンと本当によく合います。サーモンのプロによって選び抜かれたサーモンはやっぱり違いますね」(上野さん)

松屋銀座の裏手、ほど近い場所に店を構える王子サーモンは今回が初参加。「フィヨルドサーモン」と呼ばれる厳選されたノルウェー産スモークサーモンのフレッシュな味わいに粒マスタードをアクセントにした少し大人のコッペはお酒との相性も良さそう。
「晴れた日に外で白ワインやシャンパンと一緒に楽しめたら最高ですね。日比谷公園や松屋銀座の屋上などでぜひ。その際にはパイパー・エドシック社による松屋限定のシャンパンも一緒に楽しんでいただけたら」(山下さん)
「銀座ならではの楽しみ方として、歌舞伎鑑賞の幕間のお供にするのもアリだと思います」(上野さん)
「7つ全部買ってワイワイ食べ比べるのもきっと楽しいですね。そして後日、コラボ先のお店に足を運んでコッペパンに起用されたメニューを店舗で味わうのも興味深いかと。コラボ用にアレンジされた味と実際の店舗での味との違いを楽しんで欲しいです」(三好さん)
「僕は実際、煉瓦亭さんにナポリタンを食べに行きました。コッペパンのナポリタンは店舗よりも汁気を飛ばしてあってパンがべチャッとならない工夫されているとわかり、さすがだと思いました」(山下さん)

来年で創業100周年を迎える銀座アスターは、今回のコラボコッペ開発にあたり10種類ほどのサンプル試作を行ったそう。
「天津飯の具材を挟んで天津パン(飯)にするアイデアや酢豚のアイデアもありましたよね」(上野さん)
「酢豚、あれメチャメチャおいしかったですね。3月の試食会で食べたのですが、その時はパンなしの具材だけの試食だったから食べた瞬間に思わず『米ください』って口に出してしまったほど」(山下さん)
その後、銀座アスター社内でのさまざまな試作・検討を経て最終的に今回のエビチリマヨに決定。店舗で人気のエビマヨにエビチリの醬を合わせ、かぼちゃのペーストとともにサンドしたコッペパンは、添えられたミントの葉と混じり合い複雑なハーモニーを奏でながらも、酒種生地としっかりマッチした技ありの品。銀座アスターのセンスと手腕が光るさすがの味と言えそうです。
個人的におすすめしたいイチオシの味は?

今回、事前予約は対応していないとのこと。「メディア関係者向けの内覧発表会でも『個人的にぜひ購入したい』とご予約のお問い合わせをいただきましたがお断りさせていただきました」と山下さん。メディア関係者も太鼓判を押す今回のコラボコッペパン、個人的なおすすめを挙げるとしたら・・・?
「僕はやっぱり銀座ウエストさんですね。素直にバタークリームの口溶けとピスタチオソースの味に感動しました」(三好さん)
「銀座吉澤さんのも捨てがたいですが、僕の個人的おすすめは銀座アスターさん。見た目のインパクトもそうですが、パンに負けないパンチの効いた味がすばらしいと思います。エビチリ、マヨネーズ、かぼちゃ、ミント。どれもきちんと存在感がありながら一体感もあってすごくおいしい。今までに食べたことのない味だと思うのでぜひ多くのお客様に食べていただきたいです」(山下さん)
「私のお気に入りはサーモンコッペ。サーモンとアボカドってよくある組み合わせでおそらく皆さん食べたことのある味だと思うのですが、これはその想像を超えてくる味。食べ進めるごとにおいしさを感じられて、老若男女、誰もが好む味だと思います」(上野さん)
五月晴れが続く新緑のゴールデンウィーク。ピクニックやホームパーティ、銀ブラ、そして歌舞伎鑑賞にもぴったりの「銀座をつなぐコッペパン」で、銀座の名店の味を味わってみてはいかがでしょうか。
松屋銀座オリジナルコッペパン(数量限定)
コッペパンは数量限定で売れ切れしだい終了となります。毎回完売も続出する人気イベントなので、お早目にご来場を!
銀座吉澤 焼肉黄身ダレコッペ 1296円

1924年(大正13年)に精肉店として創業した、お肉の目利きが手掛ける肉割烹。今回は黒毛和牛の焼き肉をハーブミックスとともにパンに挟み、仕上げに特製の黄身ダレをたっぷりと。甘辛く味付けされたお肉に卵のまろやかさが加わり、止まらぬおいしさ。
煉瓦亭 ナポリタンコッペ 972円

1895年(明治28年)創業の銀座を代表する老舗洋食店からは、大正期から提供する自慢のナポリタンをサンド。店舗で提供しているスパゲッティイタリアンの流れを組むパスタを、コッペパンに合うよう通常よりしっかりとした味付けに仕上げました。
三笠会館 100周年トリュフ入り唐揚げコッペ 1026円

今年、松屋銀座と同じく100周年となる三笠会館。日本のレストランで初めて提供されたとされる看板メニューの唐揚げを挟みました。パンによく馴染むよう揚げたての唐揚げをマリネし、オリジナルのタルタルソースとトリュフスライスを乗せた贅沢な味わい。
銀座アスター エビチリマヨコッペ 1242円

来年で100周年を迎える中華の名店、銀座アスターはオリジナルの“エビチリマヨ”をサンド。カラッと揚げたエビにチリマヨソースをまとわせ、クリーミーなかぼちゃペーストと合わせました。意外にもかぼちゃがパンとエビのつなぎ役となって一体感のある味わいに。
王子サーモン スモークサーモンアボカドコッペ 1188円

日本で初めて本格的なスモークサーモンを製造したことで知られる王子サーモン。初コラボとなる今回は、木村家のコッペパンによく合うノルウェー産のスモークサーモンに定番のアボカドを合わせました。粒マスタードがピリリと効いた、間違いのないおいしさです。
銀座ウエスト ピスタチオバタークリームコッペ 972円

1947年(昭和22年)創業の銀座の人気洋菓子店。創業時からの変わらぬ製法で作られたバタークリームにピスタチオを合わせ、コッペパンに合うようにアレンジしました。ひと口食べるとピスタチオのガナッシュソースがとろけだす、香り豊かなスイーツ系コッペパン。
銀座木村家 あんバターコッペ 864円

いわずと知れた木村家の人気商品であり代名詞でもあるあんぱんで使用している北海道産小豆100%の小倉餡と、やさしい口溶けのホイップバターをふんだんに使用したコッペパン。木村家でも買うことができない今回だけの限定メニュー。甘じょっぱい禁断の味。
銀座をつなぐコッペパン

明治2年(1869年)創業の老舗「銀座木村家」が作る酒種コッペパンをベースに、銀座に店を構える7つの名店の逸品をサンドした豪華なコラボパンを数量限定で販売します。銀座という街のつながりで生まれた唯一無二の味をぜひご賞味ください。
※銀座吉澤 焼肉黄身ダレコッペのみ2025年5月2日(金)までの販売
会期/2025年4月29日(祝・火)ー5月6日(振・火)
会場/地下1階食品催場
PHOTO/YUKO CHIBA TEXT/MAIKO TERUYA