さまざまなプロが登場し、銀座の名店を紹介するこちらの企画。今回は、全国各地の純喫茶を食べ歩き、その魅力を発信している難波里奈さんが登場。繰り返し足を運びたくなる、名喫茶をご紹介します。

Vol.1 難波里奈さんの喫茶案内

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東京喫茶店研究所
二代目所長
難波里奈さん

プロフィール

東京喫茶店研究所二代目所長。訪ね歩いた全国の純喫茶の情報を、各 SNS「純喫茶コレクション」アカウントにて日々発信中。『純喫茶とあまいもの』シリーズ(誠文堂新光社)や『文庫版 純喫茶コレクション』(河出書房新社)、『純喫茶のデコレーション』(エクスナレッジ)など著書多数。純喫茶の魅力を広めるため、マイペースに活動中。

“銀座”の印象やおすすめの歩き方は?

思いのほか“普段使い”も楽しめる、お気に入りの散歩コース

「少し緊張してしまうハレの街」というイメージを勝手に持っていたのですが、銀座の喫茶店の方たちから話を伺うことが増えてからは、少しずつ親しみやすいイメージに。一流のものを求めてくる人たちのための百貨店やハイブランド店と、そこで暮らす人たちのための庶民的な飲食店が同居する奥深いエリアだと知って、表通りと裏路地どちらも楽しく、お気に入りの散歩コースとなりました。

お目当ての1軒を決めて、のんびり銀座さんぽを楽しむのがおすすめ

銀座の街には素敵な喫茶店がたくさん! 内装はもちろん、看板メニューや珈琲の味もそれぞれ違うので、まずは必ず行きたいお店を1軒決めて、そこでおなかや気持ちが満たされたら、街を歩いたり、百貨店で買い物をしたりして、またその休憩時間に近くのお店に立ち寄るのはいかがでしょうか? そうしているうちに、2軒、3軒・・・とお気に入りのお店が増えていって、また早く銀座へ行きたくなるのです。

昭和レトロな空間で味わう、絶品オムライス

銀座歌舞伎座のすぐそばにある「喫茶you」のオープンは1970年(昭和45年)。時代の移り変わりに合わせ、新しい看板メニューをと考案したオムライスが大ヒット。そんな名物の「オムライス」は、卵は1人前につき2個分を使用し、乳脂肪分が異なる2種類の生クリームを合わせるのがおいしさのヒミツだそう。焦がさず、“トロふわ”に仕上げるのはまさに職人技。オリジナルブレンドのコーヒーは、別添の生クリームを浮かべながら飲むのがおすすめ。

デザートには自家製の「レモンゼリー」をどうぞ。レモンの爽やかな酸味とはちみつの優しい甘さ、バニラアイスのミルキーなおいしさが口のなかで混ざり合い、幸せでいっぱいに。

『「飲めるオムライス」というキャッチフレーズがぴったりのメニューを求めて、日々行列ができるこちらのお店。思わずふるふると揺らしたくなるそのルックスは芸術的で、口の中でふわっと消えてしまう幻のような食感に手が止まらず、あっという間にお皿は空に。調理担当のスタッフたちは、それぞれオムライス用のマイフライパンを持っているそう。テイクアウトできるのも嬉しい。』(難波さん)

DATA

喫茶you

住所/東京都中央区銀座4-13-1
電話番号/03(6226)0482
営業時間/平日 午前11:00~午後4:30(L.O.午後4:00)、土・日・祝 午前11:00~午後4:30(L.O.午後3:30)
定休日/水曜日
交通アクセス/東京メトロ日比谷線、浅草線「東銀座駅」より徒歩1分

明治時代から愛されるバニラアイスクリームと、
いちごのコンビネーション

1902年(明治35年)、ソーダ水と、まだ珍しかったアイスクリームを製造販売する、日本で初めての「ソーダファウンテン」としてスタートした「資生堂パーラー」。「アイスクリームソーダ」(1200円)は創業当時から受け継がれる伝統の味。自家製シロップを炭酸水で割ったソーダ上に、バニラビーンズをふんだんに使用した手作りのアイスクリームを浮かべたグラスは宝石のような美しさ。定番のレモン、オレンジのほかに、季節のフルーツのフレーバーも。

いちばん人気の「ストロベリーパフェ」(2200円)は、自慢のアイスクリームと生クリーム、みずみずしく甘酸っぱいいちごが引き立て合う特別なおいしさ。王冠をイメージした“クラウンスタイル”と呼ばれるフォルムにもうっとり。

『こちらでは、定番の「ストロベリーパフェ」に加えて、月替わりでさまざまな種類のいちごを味わえます。まず目で楽しんで、そのあまい香りを吸い込んだら、銀座という街からのどかな春の風景にひとときトリップ。この空間でパフェを食べている人たちはみんなやさしい顔をしています。スタッフの方がおすすめしてくださったローズティーとの相性も抜群。』(難波さん)

DATA

資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ

電話番号/03(5537)6231 ※予約不可
住所/東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル3F
営業時間/火~土 午前11:00~午後9:00(L.O.20:30)、日・祝日午前11:00~午後8:00(L.O.午後7:30)
定休日/月曜日(祝日は営業)、年末年始
交通アクセス/東京メトロ銀座線「銀座駅」より徒歩7分

銀座を代表する喫茶店で定番のコーヒーを楽しむ

「ブラジル移民の父」と呼ばれる水野龍氏が創業した「カフェーパウリスタ」は、日本に現存する最古のコーヒーロースター会社。時代に合わせて少しずつ変化をしながらも、銀座を代表する名店のひとつとして多くの人に愛されてきた。扉を開けた途端に広がるレトロな空間、コーヒー豆の香りは、喫茶店ファンにはたまらない。定番の「パウリスタオールド」(850円)をはじめ、店で使用するコーヒーは、現在の社長が自ら産地へ赴き、買い付けているという。

甘さを抑えた生クリームを添えたクラシカルなチョコレートケーキ「ザッハ」(コーヒーとセットで1460円)をはじめ、コーヒーにぴったりのスイーツや、小腹を満たしたいときに嬉しい「キッシュ ロレーヌ」などフードメニューも充実している。

『1911年の創業から114年、銀座の街とずっと共にある「カフェーパウリスタ」。諸説ある「銀ブラ」の語源のひとつは、こちらに一杯五銭のコーヒーを飲みに行くことだったとして知られています。芥川龍之介や獅子文六、ジョン・レノンなど名だたる著名人が愛したコーヒー「パウリスタオールド」は、開店当時より定番として親しまれてきた味で、苦味と甘みのバランスが絶妙。』(難波さん)

DATA

カフェーパウリスタ

電話番号/東京都中央区銀座8-9 長崎センタービル1F
住所/03(3572)6160
営業時間/月~金 午前9:00~午後8:00、土 午前9:00〜午後7:30、日・祝 午前11:30~午後7:00
定休日/不定休
交通アクセス/東京メトロ銀座線「銀座駅」より徒歩7分

PHOTO/NORIKO YONEYAMA TEXT/MINORI KASAI